ジャビルカ通信 51 – 60

これは「Stop Jabiluka キャンペーン」から発行されているジャビルカ通信を
10づつにまとめて転載させていただきました。

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98.6.24 ジャビルカ通信(51)

福岡でのジャビルカ報告会を「6時半から」とお伝えしましたが、
正しくは、「6時から」です。ごめんなさい。

オーストラリア先住民族アボリジニーの土地権を無視して強行されている日本出資の
ウラン開発の現状と今後の見通しについて、現地情勢もまじえ、スライドとOHPを使
って細川が分かりやすく、かつ詳しく報告します。

(日時)6月30日(火)午後6時
(場所)福岡・天神サザン通りパルス6階
(主催)ネットワーク・ニサト

といあわせ→ 093-201-3238 木戸さん

ネットワーク・ニサト (Nisat) は、先住民族との交流活動をおこなう市民ネットワ
ークです。

また、会場となるサザン通りパルスの2階には、先住民族芸術の専門店「マザーラン
ド」があります。アイヌ民族のさまざまな工芸品やオーストラリア・アボリジニーの
絵画や音楽CDをはじめ、良質の品揃えで定評があります。福岡においでの折は、ぜひ
お立ち寄りください。

***この号は、「先住民族ニュース」のメーリングリストにも配信しています。
重複して受け取られる方、ごめんなさい。
ちかぢか、「先住民族ニュース」と「ジャビルカ通信」のリストを統合する予定です。

(ジャビルカ通信のバックナンバーをご希望の方は、細川までご請求ください。)

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ジャビルカ葉書キャンペーン事務局

  
  http://itak.ag.saga-u.ac.jp/=jabiluka/98.html
  840-8502 佐賀大学 農学部 細川研究室
  tel&fax 0952-28-8738 
(郵便振替)01700-1-19686「ジャビルカ基金」
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98.6.24 ジャビルカ通信(52)

ユネスコの動きと連動する重要なニュース。シドニー・モーニング・ヘラルド紙 (SM
H) のスクープです(昨日報道)。

ジャビルカ開発計画は、昨年8月、オーストラリア連邦環境大臣の「条件つき許可」
をえて、同年10月、連邦資源エネルギー大臣の認可がおりた。環境大臣の課した諸
条件のひとつは、現地のアボリジニー文化遺産の保全計画を (ERA社) が策定するこ
と、であった。具体的には、岩絵および宗教聖地 (sacred sites) の保全管理プラン
をアボリジニーとの協議にもとづいて立案することが求められた。

これは、stringent requirement、すなわち「工事開始のために満たさなければなら
ない条件」のひとつであった。ところが、SMH紙の調査によれば、保全計画はまった
く作成されていない。すでに工事は6月15日に強引に開始さている。認可条件に対
する明らかな違反である。

SMH紙によれば、ERA社は事実関係をみとめたものの、保全計画がまとまらないのは「
アボリジニーが協力しないからだ」と、ミラル(ジャビルカ現地の先住民族集団)を
非難した。ミラルの人々は、ウラン開発絶対反対の立場を崩さず、工事開始につなが
る全ての交渉をボイコットしてきた。

北部土地評議会(NLC, カカドゥ地域を管轄する先住民土地権機関)は、SMH紙の取材
に対して、ERA社からは文化保全計画の作成準備の前提となる(アボリジニーに対す
る)協議申しいれすらも全くなかったことを明らかにした。
(*ミラルとERA社とNLCの微妙な関係については、「ジャビルカ通信」9号、12号
、15号を参照)

オーストラリア民主党の環境政策担当リン・アリスン上院議員は、次のようにコメン
トした。「これ以上に明快な条件はなく、これ以上に明らかな条件違反もない。先住
民族に対する露骨な侮辱である。」

工事強行のためにはこのような違反行為もものともしないERA社の行動は、予定され
るユネスコ世界遺産委員会による特別査察(「ジャビルカ通信」50号参照)におい
て、当然ながら評価の対象となろう。
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この号は、「先住民族ニュース」のメーリングリストにも配信しています。
重複して受け取られる方、ごめんなさい。
近々「先住民族ニュース」と「ジャビルカ通信」のリストを統合する予定です。

★★送信リストを組みなおしますので、今後、「ジャビルカ通信」「先住民族ニュー
ス」ご不要の方は、その旨、ご連絡ください。新リストから外すようにいたします。

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98.6.29 ジャビルカ通信(53)

オーストラリア連邦上院は、本日(6月29日)、連邦政府に対して、ジャビルカ・
ウラン開発工事の中止を求める決議を賛成多数で可決した。提案者のディー・マージ
ェッツ上院議員(緑の党)は、ユネスコ世界遺産条約事務局の派遣する査察団による
調査が完了するまで、ジャビルカ鉱山の操業準備にむけてのいかなる活動も停止すべ
きであると述べた。

この決議に法的拘束力はない。連邦議会は今週で会期が終了し、冬の休会にはいる(
オーストラリアは、いま真冬!)

北部準州警察は、今日午後の記者会見で、ジャビルカ採掘予定地入り口での警備人員
を大幅に削減する予定であると述べた。「ERA社が工事に必要な機材の搬入を完了し
たため」としているが、ユネスコの査察にそなえた動きであるともいえよう。

なお、ブロッケード活動による今日の逮捕者は31名。

ユネスコの世界遺産条約事務局のB. フォン・ドロステ事務局長は、カカドゥ国立公
園に調査団(臨時査察団)を派遣することを公式に確認し、その理由を、ジャビルカ
・ウラン鉱山が世界遺産におよぼす影響について、相反する意見が寄せられているた
め、事務局として実地に現状を把握するためである、とした。調査団は、開発業者(
ERA社)、オーストラリア連邦政府、北部準州政府、アボリジニー諸団体、環境保護
団体、その他の専門家の意見を同等に聴取した上で、環境保全の要因と法的要因の双
方を考慮して、独自の判断をくだす、とのこと。また、調査団の報告が京都会議に提
出される予定であることも、事務局長によって確認された。

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98.7.1 ジャビルカ通信(54)

昨日(6.30)付の Japan Times にジャビルカ・ウラン開発と関西電力の関係を解説
した記事がでました。第3面、写真つき、かなり大きな記事です。

文面には、細かい間違いや事実誤認もありますが、日本との密接なつながりを指摘し
た点では、ツボを良く押さえた解説になっています。(事実関係の訂正ついては、お
ってコメントします。)

記事によると、取材をうけた関電は、関西地域での電力供給のうち原子力の占める割
合が将来は84%になる、などと言ってますが、何でもほざけばよいというものでは
ありませんよ!

ジャビルカ現地では、昨日来、抗議行動と輸送阻止闘争が続いています。逮捕者もか
なり出ています。怪我人もでているようです。

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98.7.3 ジャビルカ通信(55)

ジャビルカ現地で反対派が106名逮捕されました。

ジャビルカ・ウラン鉱山の工事を阻止するために現地にキャンプしているブロッケー
ダー約300人のうち約180人が、今朝(7月3日)、ERA社の採掘区域に入り、
工事詰所前を占拠して工事の再開を阻止した。

北部準州警察(現地のジャビルー警察署および応援の機動隊)は、このうち106名
を逮捕したが、ほぼ全員が保釈に応じなかったため、ジャビルー警察署では逮捕者を
収容しきれず、身柄はダーウィンに送致されている。ダーウィンの拘置所でも収容し
きれないため、一部はパマーストン(ダーウィンの南の町)の警察署に移送される模様。

ダーウィンの拘置所の労働組合では、ストライキを組織してブロッケーダーの収容を
はばむことを検討中とのこと。

ブロッケード側では、参加者のさらなる増加をえて、直接行動を繰り返し、工事を止
めていくつもりである。警察はこれに対して、反対派が採掘区域周辺に近寄ることを
禁止することを検討している模様。そのような禁止令がいかなる法的根拠によるもの
か、不明。

現に、「ジャビルカ通信」53号で報じた三十数名の逮捕(6月29日)は、まった
く工事区域には立ち入っていない公道上での逮捕であり、結局、「嫌疑不十分」で全
員釈放されている。

北部準州の警察大臣は7月3日午後の会見で、「反対派の連中は州境をこえてやって
くる野良獣(ferals)のようなものだ」と述べた。

ブロッケード・キャンプの広報担当者は、ジャビルカ開発は、アボリジニーにとって
は自分たちの土地に2千万トンもの放射性鉱滓がぶちまけられることであり、また、
オーストラリア国民にとっては、これに続く20箇所もの新規ウラン採掘の導火線に
なる、と指摘した。

ブロッケードを支持するリン・アリスン上院議員は、連邦議会で声明を発表し、「今
朝の出来事は、これからますます規模が大きくなる事態の予兆にすぎない」と指摘し
、ハワード首相にジャビルカ問題の深刻さを考慮するよう求めた。アリスン議員はま
た、「(逮捕された人々の英雄的な行動は)このおぞましい開発計画に対する、より
多くのオーストラリア国民の憂慮を写しだすものだ」と述べた。
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98.7.7 ジャビルカ通信(56)

ジャビルカ・ブロッケードには、各地から続々と支援者が集まりつつある。すでにキ
ャンプの人口は500名規模となった。(これは、キャンプの井戸の収容能力をすで
に超えているため、保健衛生上、運営の難しさが増すが、外部からの給水確保によっ
て維持する見込み。)

社会派ロックグループ「ミッドナイト・オイル」のリード・シンガー、ピーター・ギ
ャレットも今週、ブロッケードに合流する。

警察のパトロールは厳しさを増し、カカドゥ公園の観光客の車などもすべて検問して
「抗議活動に参加しにきたのかどうか」を質問し、yes の場合は退去を命じ、応じな
い場合は逮捕する、という、とても民主国家とは思えない状況になっている。これに
より、連日、10名以上の逮捕者がでている。

ウラン開発は、こうでもしなければ強行できない性質のものだということを、開発に
出資している日本企業、日本人は、はっきりと自覚すべきである。

先週、大量逮捕された人たちの大半は、ダーウィンに連行後、釈放されて、すでにブ
ロッケード・キャンプに戻った。また、数名(7名または9名)は現在もダーウィン
の拘置所に収監されている。そのうち、24歳の女性が、逮捕以来、ハンストを決行中。

————–
グンジェーミ先住民族法人の事務局長ジャッキー・カトナは、昨日(6日)、タスマ
ニアで開催されている学生環境フォーラムにゲスト出席し、集った600名の学生に
対し、ジャビルカ・ブロッケードへの参加を呼びかけた。(ブロッケードには、これ
まで400名以上の学生がオーストラリア各州や海外から参加してきた。)

————–
【訂正】
ジャビルカ通信50号で、World Conservation Union (IUCN) を「世界環境保護団体
連合」と訳しましたが、日本での定訳は「国際自然保護連合」だそうです。そのよう
に訂正いたします。

【読者からのご質問】
ジャビルカ通信49号で AAPA (アボリジニー地域保護局) に言及したところ、AAPA
(= Aboriginal Areas Protection Authority) と「アボリジニー聖地保護局」(Abori
ginal Sacred Sites Protection Authority) との関係について質問がきました。
答: 両者は同じものです。従来、AASSPA といっていた役所が、AAPA と看板がかわ
っただけ、と細川は理解しています(厳密には、権限その他、すこし変わったのかも
知れませんけれど)。
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98.7.10 ジャビルカ通信(57)

下記の方々から総額65,750円(豪ドルで$751.43)の現地支援カンパのお申し出(ま
たは直接振込み)をいただきました。本日、ECNTへの送金手続きをとりました(第3
回送金です)。

<お申出/お振込順>(6月18日~7月9日受付分)
小林純子さま(東京都)、沼田哲さま(東京都)、山本誠一さま(長崎市)、アイリ
ーンスミス様(京都市)、菅井益郎さま(北本市)、村里由美さま(諌早市)、鎌田
真弓さま(日進市)、寺田良一さま(府中市)、宮脇幸生さま(大阪市)、佐藤大介
さま(大阪市)、宇野田陽子さま(大阪市)、細川弘明さま(佐賀市)、三上敏視さ
ま(札幌市)、兼崎暉さま(北九州市)、木戸宏さま(福岡県水巻町)、田村雅明さ
ま(東京都)、鮒田晃男さま(福岡市) 

★★★どうも有難うございました。ブロッケード活動は、ひきつづき活発におこなわ
れています。

これで、現地への送金は、総額3,581.34豪ドル(約31万円)となりました。

【訂正】通信47号で、前回送金までの合計額を「2,829.91豪ドル(約32万円)」
と記載しましたが、円換算がはげしく間違っていました。正しくは、約24万5千円
。ドル金額は記載の通りです。ごめんなさい。今回で、合計31万円強に達しました。

(なお、前回までは1豪ドル 86.6円、今回は 87.5円で計算しています。)
現地支援カンパをひきつづき募ります。とりあえずの目標額は100万円!
★★★本日から7月末までの期間に、カンパ1口以上のお申し出をいただいた方(振
り込みは後日で結構です)に、現地ブロッケードの最新カラー・リーフレットを差し
上げます。リーフレットは英文ですが、カラー写真24点をふくみ、ジャビルカ現地
やブロッケード活動の雰囲気、操業中のレンジャー鉱山の鉱滓ダムの様子などがよく
分かります。A4判8頁。

—————————————————-
お申し出は、事務を簡潔明瞭にするため、下記の要領でお願いします。
—————————————————-

 ・まず、メールで寄付口数をお申し出ください。1口10ドル(約850円~880円)
 ・匿名ご希望の場合は、その旨、お申し添えください。
 ・1000ドル程度たまるごとにECNTへ送金します。
 ・決済は電子マネーですので、換算は決済当日の為替レートによります。
   (現状では、86円~88円前後です)
 ・しかるのち、日本円での精算金額をお知らせします(郵便振替用紙を送付します)
これまで、カンパをお申し出くださった方々にも、まだ振替用紙の送付が全部は済ん
でいません。忘れた頃に請求がいくかも知れませんが、よろしくお願いします。現地
へのお金はきちんと届いております。
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ジャビルカ葉書キャンペーン事務局

  <hosokawk@cc.saga-u.ac.jp>
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98.7.14 ジャビルカ通信(58)

さきほどのABC(オーストラリア放送協会)のニュースによれば、ジャビルカ現地で
ふたたび開発反対派の大量逮捕(112名)がおこなわれた模様。

詳しいことは確認でき次第、お知らせします。
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98.7.18 ジャビルカ通信(59)

続報が遅れてすみません。いろいろと複雑な動きがあり、現地との確認に手間取りま
した。

●7月14日の抗議行動(後述マルガルラさんの裁判を支援するためのジャビルカ現
地での大規模なデモ)の際に逮捕されたのは117名。保釈手続きだけで3日間かか
った。2名が保釈を拒み、ダーウィンの刑務所に収監されている。逮捕の際、また保
釈までの拘置の際、警察によるさまざまな暴力行為がおこなわれたとして、ブロッケ
ード側の医師、弁護士は、北部準州警察に正式に抗議するとともに、アムネスティ・
インターナショナルへの報告を準備中。(暴力行為の詳細については、おって報告し
ます。)

●14日の逮捕の際、口実とされた嫌疑のひとつが、「破壊活動」であるが、警察に
よれば、何者かがジャビルカ鉱山(工事区域)への給水ラインが破壊され、また、道
路をはさむ2本の樹にロープをはってバイクで往来する鉱山会社の警備員に危害をお
よぼそうとした、という。誰がこのような行為をおこなったのか、警察では特定して
いない。

ブロッケード側の広報担当は、そのような「破壊活動」はおこなっていないし、これ
からも行うつもりはない、と明言。「そもそも、そのようなロープが存在したのかど
うかすら確認できていない」として、警察によるでっちあげの可能性を示唆した。警
察は、「現場を撮影したビデオがある」と主張するが、そのビデオを見せるようにと
のブロッケード側弁護士の申請は拒否した。

●5月に逮捕された(ジャビルカ通信第16号および17号参照)ミラル・アボリジ
ニーの女性長老イボンヌ・マルガルラさんの裁判が、7月14日、北部準州地裁のジ
ャビルー支部で始まった。しかし、14日と15日は、大量逮捕者の保釈手続きに判
事が忙殺されたため、実質審理はすすまず。16日、17日に検察・弁護双方の主張
が述べられた。検察側は、マルガルラさんが先住民土地権利法で認められたジャビル
カの土地所有者であるとしても、ジャビルカの土地が現在ERA社に貸与されている以
上、土地の立ち入りにはERA社の許可が必要だとして、マルガルラさんを「不法侵入
罪」で起訴した。また、マルガルラさんがERA社の給水タンクにジャビルカ開発中止
を訴えるスローガンをペンキで書いたのは「器物損壊」にあたるとして、起訴罪状を
追加する可能性を示唆した。これに対し、弁護側は、ERA社と北部土地評議会のあい
だの開発協定書(ジャビルカ通信第9号および15号参照)において土地所有者の立
ち入りがどのように規定されているかを確認するため、協定書を証拠として法廷に提
出するよう求めた。検察側は、協定書には商業的な機密事項が含まれているとして、
提出を拒否した。判事は、この件について判断を保留し、次回の公判を9月初旬とした。

この裁判は、ジャビルカの土地に対する先住民族(ミラル)の権利をさまざまな面で
確認する重要なケースとなりそうです。(たびかさなる公判延期は、裁判所側がこの
ケースを扱いあぐねていることを示しています。)
●7月16日の昼、シドニー中心街のウエストパック銀行支店でジャビルカ開発への
抗議行動。約60人が支店を約1時間にわたって占拠し、銀行の営業をとめるととも
に、来店客や通行人にジャビルカ反対運動への支持を訴えた。この直接行動による逮
捕その他のトラブルは無かった。ウエストパック銀行は、ジャビルカ開発をすすめる
ERA社の筆頭株主であるノース社(ジャビルカ通信第3号参照)の主要株主である。

●16日現在、ブロッケード・キャンプには約450名が滞在中。ひきつづき、非暴
力直接行動をくりかえしていく。

●世界遺産委員会の査察(ジャビルカ通信第50号参照)の日程は、まだ発表されて
いないが、8月になる模様。
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★★仙台でジャビルカ現地報告会をおこないます★★
       7月24日(金)午後6時半
       仙台駅前「アエル」6階セミナーホール
       話し手: 細川 弘明
       主催:核戦争を防止する宮城医師歯科医師の会
       (問い合わせ)022-265-1667 野地さん

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★★★★「国際先住民族の日」記念フォーラム ★★★★
 << ニッポンは本当に唯一の被爆国 >>
   — 先住民族の直面する核問題 —

  8月9日(日)午後2時~4時半 代々木区民会館
    話し手=荒川俊児(反核パシフィックセンター東京)
        細川弘明(先住民族の10年市民連絡会)

    主催:先住民族の10年市民連絡会
      問い合わせ→

 

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98.7.28 ジャビルカ通信(60)

うれしいニュース。
今朝のABC(オーストラリア放送協会)ニュースによると、ジャビルカ開発に反対す
る闘いを続けているミラル・グンジェーミ・アボリジニの女性長老イヴォンヌ・マル
ガルラさんに、「核のない未来賞」(Nuclear Free Future Award) が贈られることに
なった。この賞は国連が新設するもので、受賞式はオーストリアのザルツブルクでお
こなわれる予定。

この Nuclear Free Future Award という新しい賞については、細川、寡聞にして知
りませんでした。どなたか御存知の方、教えて下さい。受賞の日取りなど、詳細は、
のちほどアボリジニー側および国連に確認をとってから、ジャビルカ通信でお伝えし
ます。(いまの所、情報源はABC news だけです。)

ウラン開発を強行するオーストラリア政府、および無思慮なスポンサーである日本の
電力会社に対する、国際社会からの明確なメッセージとみるべきでしょう。

ジャビルカ現地では、今朝、350人ほどのブロッケーダーによる「死者のカーニバ
ル」が行われました(ウラン採掘がもたらす未来を象徴した賑やかな音楽と踊りのデ
モ)。その際、16名が逮捕されたようです。(これも情報源はABC)。

いま、現地との電話がうまくつながらないので、これも確認しだい、続報したいと思
います。ここ2週間ほど、仕事その他でまったく余裕がなく、通信のあいだが空いて
しまいましたが、今後もひき続きニュースと解説を流しますので、よろしく。

 

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★★★★「国際先住民族の日」記念フォーラム ★★★★
 << ニッポンは本当に唯一の被爆国 >>
   — 先住民族の直面する核問題 —

  8月9日(日)午後2時~4時半 代々木区民会館
    話し手=荒川俊児(反核パシフィックセンター東京)
        細川弘明(先住民族の10年市民連絡会)

    主催:先住民族の10年市民連絡会
      問い合わせ→

 

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ジャビルカ通信 41 – 50

これは「Stop Jabiluka キャンペーン」から発行されているジャビルカ通信を
10づつにまとめて転載させていただきました。

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98.6.15 ジャビルカ通信(41)

昨日の夜中、ERA社はジャビルカ・ウラン鉱山採掘予定地の整地作業を開始した模様。

すみません、いま仕事中でどうしても手が離せませんので、速報のみ。

 

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ジャビルカ葉書キャンペーン事務局

  <hosokawk@cc.saga-u.ac.jp>
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98.6.16 ジャビルカ通信(42)

続報です。ジャビルカ現地で、ERA社による採掘準備の工事(整地作業)が開始され
た模様。
ただし、ERA社は、工事開始を明言していません。
現地詰めのブロッケイダーからの連絡です。

昨日(6月15日)早朝4時半(以下すべて現地時間)から、反対派による道路封鎖
が再開されました。15日の昼間は、鉱山会社・警察との大きな衝突はなく、逮捕者
2名が出ただけ。約60名のブロッケーダーによって、ウラン採掘予定地の入り口道
路は占拠されました。

15日夜、20時半頃、ERA社が採掘予定地に機材(ブルドーザーほか)を搬入、作
業を開始した模様。(この間の具体的な顛末は、情報が混乱していて、よく分かりま
せん。)これを阻止しようとしたブロッケーダーが数名(5名前後)逮捕された模様
。その後、ブロッケーダーは、採掘予定地へむかう別のトラックを道路上で阻止し、
トラックに体にロック・オン(文字通り、U字錠で肢体を固定)する戦術に出ています。

16日午後にいたるまで、警察は、大がかりな排除活動には出ていない模様ですが、
ロックオンした阻止派の人々が携帯していた水を没収し、また支援者が給水するのを
禁止・妨害しているとのこと。乾季のオーストラリアの日中に、水なしで炎天下に放
置されることが、どのような状態であるか、ちょっと想像してみてください。

支援の環境団体は、警察による飲料水の没収および給水妨害が人権侵害行為であると
して、準州政府の警察担当大臣(=現在、準州首相が兼任)および連邦人権委員会に
抗議しています。警察は、自発的に退去すれば水が飲めるのだから、虐待にはあたら
ない、と主張していますが、ロック・オンした人たちは、自分では鍵を持っていない
のですから、この理屈は通りません。(このような場合、警察が錠前をカッターで切
って逮捕するのが通例です。)

ブロッケード・キャンプは、緊急増員をかけているところです。来月にかけて数百名
が支援にかけつける予定。「非暴力不服従」の原則を守りつつ、可能なかぎりの手段
をとって、工事の進行を阻止する計画です。

3月以降の封鎖活動で、現地の土地所有者であるアボリジニーをふくむ60名以上が
逮捕されましたが、今後の阻止行動によって、逮捕者の数は、数百名におよぶ可能性
がでてきました。ブロッケード・キャンプでは、事態にそなえて法律・弁護チームも
強化しつつあります。

あらためて指摘すべきことは、現在まだ最終的な環境アセスメントの最中です(ERA
社の環境報告書に対して、一般からのコメントを公募している期間中)。アセスメン
トの終了をまたずに工事を始めること自体が不適法であり、この点は、今後の法廷闘
争での争点のひとつとなるでしょう。

★抗議のファックスは、下記へ(番号は、日本からかける場合)KDD以外をご利用の
方は、「001」の部分を別会社の番号におきかえてください。

  北部準州警察大臣(N.T. Minister for Police) fax 001-61-8-8999-6670
    *警察が中立を保つっていないことに抗議
    *警察による飲料水の没収という人権侵害に抗議

  ジャビルー警察=地元警察署 (N.T. Police, Jabiru)fax 001-61-8-8979-2216

  オーストラリア連邦首相 (Prime Minister John Howard)
    fax 001-61-2-6273-4100

●現地支援のメッセージは、下記へ

  グンジェーミ先住民族法人(現地アボリジニーの自治組織)
     fax 001-61-8- 8979-2299 Gundjehmi Aboriginal Corp.

  ブロッケード・キャンプ
    fax 001-61-8-8979-3125  Jabiluka Blockade Camp
  
★★緊急支援カンパの送金については、ジャビルカ通信31号をご覧ください。

#################################
ジャビルカ葉書キャンペーン事務局

  <hosokawk@cc.saga-u.ac.jp>
  http://itak.ag.saga-u.ac.jp/=jabiluka/98.html
  840-8502 佐賀大学 農学部 細川研究室
  tel&fax  0952-28-8738 
(郵便振替)01700-1-19686「ジャビルカ基金」
#################################
*********************************************************************
98.6.18 ジャビルカ通信(43)

日曜日(6/14)の夜に始まったジャビルカ鉱山の工事は、17日にかけてERA社
による機材搬入がおこなわれ、これを阻止しようとする現地アボリジニーをふくむ1
00人以上の開発反対派(ブロッケーダー)との衝突が繰り返された。ブロッケーダ
ーは、採掘予定地にむかうERA社の車両を「人間の鎖」で止めて、ロックオン(通信
42号参照)する戦術をとった。ERA社の車両の通行を確保しようとする警察との衝
突で、16日夜には18名が逮捕された(逮捕容疑は、公務執行妨害、交通妨害など
)。また、逮捕の際、ブロッケーダーのひとり(男性、非アボリジニー)が頭部を負
傷し、ダーウィン市の病院に飛行機で搬送された(翌々日に退院)。

負傷の原因は、反対派によれば、警官たちがブロッケーダーの体を手荒に路肩に投げ
出したことによるとされる(その様子はビデオで撮影されている)が、警察は「当人
が、逆立ちをしたり、横とんぼ(cartwheel)をきったりしていて、失敗して怪我を
したものだ」と主張している。

また、ERA社は、ブロッケーダーが道路に金属片(spikes)を撒いて車両の破壊をは
かったと述べたが、反対派はそのような戦術はとっていないと述べた。のちに、ERA
社は、金属片が撒かれたとする情報が事実ではなかったことを認めた。

ブロッケーダーたちの抵抗で時間は要したものの、複数のブルドーザーが現場に搬入
された。ERA社は、当面の工事に必要な機材は揃ったとしている。工事開始から採掘
開始までに1年以上を要する見込み。どこかで止めればよいのです。

これまで、ブロッケード活動に参加した人数 (token count) は、800名以上にの
ぼる(被逮捕者合計は79名)。ジャビルカ鉱山阻止のための試みは今後とも、現地
、および法廷、その他、あらゆる場面で続けられる。
★★緊急支援カンパの送金については、ジャビルカ通信31号をご覧ください。
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(郵便振替)01700-1-19686「ジャビルカ基金」
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98.6.18 ジャビルカ通信(44)

昨日(6/17)、ブリズベーン市の証券取引所前で百名以上が参加してジャビルカ
抗議デモ。ERA社の主要株主であるノース社(ジャビルカ通信3号参照)の主要株主
である3銀行(ウェストパック銀行、ナショナル・オーストラリア銀行、ANZ銀行)
にノース社への投資見直しを要求。

投資の見直しがされない場合、消費者がこれらの銀行の預金を他の銀行に移すことを
よびかける予定。

各種世論調査によれば、オーストラリア人の7~8割は、ジャビルカ開発に批判的で
あるとされるが、上記のような一般銀行利用者への呼びかけが大きな反応を生むかど
うかは分からない。しかし、ジャビルカ開発強行に対するの抗議の戦術レパートリー
を拡げる意味で、注目にあたいしよう。

なお、本通信読者の黒田洋一さんからの指摘ですが、ERA社からのウラン輸入にあた
って、日本の電力会社(またはその子会社である日豪ウラン資源開発社)は、輸銀(
日本輸出入銀行、EXIM Bank)の融資を受けているのではないか。輸銀がほとんど情
報公開しない組織なので、裏付けはとれていませんが、怪しいといえば、かなり怪し
い。輸銀問題に詳しい方、アドバイスをお願いします。
(輸銀の融資をうけている、ということは、私たちの郵便貯金などがERA社と日本の
取引きを支えている、ということになります。)

  
ジャビルカ現地への緊急支援カンパの送金については、ジャビルカ通信31号をご覧
ください。
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ジャビルカ葉書キャンペーン事務局

★★★福岡での報告会は、6月30日(火)午後6時半
★★★仙台での報告会は、7月24日(金)午後6時半

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(郵便振替)01700-1-19686「ジャビルカ基金」
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98.6.18 ジャビルカ通信(45)

***すみません、さきほど、編集途中のテキストを発信してしまいました***
***********間違いです。無視してください***************
***今回のが完成テキストです*****************
通信39号でふれたクインズランド州議会選挙ですが、現在まだ開票作業が続いてい
ます。オーストラリアでは、開票に1週間以上かかるのが普通です。豪州人がチンタ
ラしているせいではなく、有権者が自分の1票を複数の候補者に割り振ることができ
るという「選択投票 (preference) 制度」のため、開票にものすごく手間がかかるせ
いです。
***(有権者は、複数の候補者に対して、第1希望、第2希望、第3希望…とい
うふうに指定して投票します。第1希望の候補が「落選確実」になった場合、票は第
2希望の候補にまわります。以下、これを延々くりかえします。いわゆる「死票」が
ないという意味で、きわめて民主的な制度ですが、希望の順位づけをどうするか、と
いうマキャベリズムが作用する点で、政党政治の悪い面が出るともいえます。)

で、結果はとても興味深い。
選挙前は、政権=保守連立(国民党+自由党)、野党=労働党

現在の開票状況では、労働党44、国民党、23、自由党8、国民統一党10、無所
属2。未確定の議席4。(定数89、過半数45)

「国民統一党」(One Nation Party) は、いわゆる極右政党で、アジアからの移民排
斥、先住民族のための福祉政策全廃、銃砲の所持自由化、etc., etc. を主張する、
「とんでも党」(*詳しくは、『美味しんぼ 第65巻:オーストラリアの危機』(
小学館、1998)を御覧あれ)ですが、なんと、今回の州選挙で票率にして23%以上
を獲得してしまいました。(改選前は議席ゼロ)

上記の開票状況をみて、お分かりのように、野党=労働党が45以上とれば、政権交
代ですが、届かない場合、国民党(National Party)、自由党(Liberal Party)、国民
統一党(One Nation Party) による「右翼連立」の可能性もあります。

この州選挙は、今年8月にもおこなわれるといわれる連邦総選挙(上下両院の解散総
選挙)の前哨戦といわれ、今回のOne Nation Partyの得票率をそのまま当てはめると
、この党から上院議員が複数、下院議員が大勢でる勘定になります。

今回の州選挙をおおざっぱに総括すると、極右政党の言説が有権者をひきつけ、野党
よりも保守連立政権党である国民党と自由党が票を食われた形です。同じパターンが
連邦総選挙で繰り返される可能性があるため、次のふたつの展開が考えられます。

(1)連邦レベルで、現ハワード政権(保守連立=自由党+国民党)が、その政策を
より右寄りにシフトして、有権者の票をひきとめる。 →→→ ウラン開発政策や先
住民族政策は、より反動化する。

(2)極右政党が得をするだけの総選挙敢行を断念する(首相権限による解散をしない)

(2)の場合、ウラン政策および先住民族政策(先住権政策)がどうなるか、一概に
は言えません。

緑の党、民主党、環境派無所属などの連邦議員にとって、事態は「両刃の剣」です。
上下両院解散選挙は、彼ら少数政党にとって議席をのばす絶好機(通常の上院選挙で
は、半数改選ですが、解散総選挙では全上院議員が選挙されるため、通常の半分の票
数で当選が可能)であると同時に、極右政党にも同じチャンスを与えるからです。

現状では、無所属議員が、解散回避のため、保守連立政権と妥協する(政府が提案し
ている先住民族の土地権利の制限に部分的に応じる)可能性がでてきました。
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ジャビルカ葉書キャンペーン事務局

★★★福岡での報告会は、6月30日(火)午後6時半
★★★仙台での報告会は、7月24日(金)午後6時半

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98.6.19 ジャビルカ通信(46)

*****今回の通信は、「先住民族ニュース」読者の方々にも臨時に送信いたします。
重複して受け取られる方、ごめんなさい*****
ユネスコの「世界遺産委員会」 (World Heritage Bureau) の年次総会が6月22日
(月)にパリで開かれる。
これにあわせて、ジャビルカの先住民土地権代表者であるイボンヌ・マルガルラさん
、グンジェーミ先住民族法人(ジャビルカ・アボリジニーの自治組織)の事務局長ジ
ャッキー・カトナさん、原生自然協会(Wilderness Society) のアレック・マーさん
たちが、パリを訪問中。
委員会に対して、世界遺産カカドゥ国立公園を「危機にさらされた世界遺産」(World
Heritage in Danger) のリストに掲載するよう働きかける。

(細川はあまり詳しく知らないのですが、ユネスコでは上記のような公式リスト—
いわば世界遺産のレッドデータブックのようなものか—を公式に作成していて、こ
のリストに掲載されると、地元国の政府は、保全のために一層の義務をおうことにな
るようです。)

彼らのロビーイングを支援するため、ファックスによる申しいれをお願いします。

★★★とくに、環境保護団体の方々、科学者の方々、「立派な肩書き」をお持ちの方
々、こういう時には「肩書き」がものを言うというのも(是非はともあれ)現実です
ので、
どうか、ご協力お願いします。

★★★会議は月曜の午後におこなわれますので、なるべく日曜の午後までにファック
ス送信して下さい!
(急なお願いで、申し訳ありません)
(1)ファックスの送り先は、次の通り(KDD使用の場合)
    001-33-1-456-85570  *33はフランスの国番号
                
   KDD以外を使用される場合は、「001」を該当する国際電話会社のコードにおき
かえてください。

(2)あて先

   Professor Francisco Francioni
   Chair, The World Heritage Committee,
   UNESCO World Heritage Centre
   7 Place de Fontenoy 75-352
   Paris, France 07SP

(3)文面は、英語またはフランス語で作成してください。外国語が苦手な方は、下
記の英文サンプルをご利用ください。

   ファックスの文面は、極力、1頁(A4)におさまるようにして下さい。基本的
には、短かくて論点が絞られているほど効果的です。(10行~20行程度)

   論点としては、
    *カカドゥ公園地域でウラン開発工事が始まっており、湿地環境にとりかえ
しのつかないダメージがもたらされる危険があること
    *世界遺産の良好な保全のためには、地元の先住民族の知恵を尊重し活用す
ることが不可欠であること
    *上記のウラン開発に日本から多額の資本が投入されているが、世界遺産を
破壊してまですすめられる開発は心ある日本人を支持を受けないであろうこと
   
   要請事項としては、
    *カカドゥを「危機にさらされた世界遺産」リストに掲載すること
    *パリを訪問中のアボリジニー代表団との面談に応じて、彼らの主張に耳を
かたむけること
(4)サンプルの文面(英文)

Dear World Heritage Committee:

I am (★または we are)writing to you regarding the World Heritage Kakadu N
ational Park, Australia, in the area of which a large-scale uranium mining
development is underway. The mining project in Jabiluka, in the heart of
Kakadu, will cause an unrecoverable damage both to the natural heritage and
the cultural heritage of the registered area. Although there is much
Japanese investment into the mining project in question, most of the
Japanese people who are concerned about environmental conservation would
not support such expense of the world heritage values.

Kakadu bears unique and marvelous cultural value as the indigenous people
have maintained not only tens-of-thousand-year old, but living tradition of
rock art and background mythology in the region. It should also be pointed
out that any sane and wise management of environmental management should
involve indigenous knowledge and experience. This is particularly so in the
case of wetland environment such as in Kakadu. The Aboriginal people of
Jabiluka area, Mirarr people, have extensive and deep understanding of the
ecological system of the Magela Plains (also known as Ja-Ja wetland)
directly adjacent to the proposed mine site of Jabiluka.

I (★または we)understand that a delegation of Mirarr people assisted by t
he Wilderness Society (of Australia) is visiting your office in order to
explain their views on the matter. Please listen to their words, and
fulfill your committee’s responsibility to the World Heritage by declaring
Kakadu as a ‘World Heritage in Danger’.

Let me (★または Let us)take this opportunity to acknowledge your committe
e’s sincere efforts and achievement in protecting a number of indispensable
heritage sites around the world, which we are not only responsible to, but
also very much proud of in leaving them in good condition to future
generations.

Truly yours,

(氏名/肩書き/署名)
———————(文面サンプル終わり)——-

(5)ファックスを送信して下さった方は、その旨、細川までご連絡ください。上記
(4)と異なる文面を送信していただいた方は、文面の写しもお知らせいただけると
幸いです。

【注意】ユネスコは、電子メールを公文書とは見なしません。ファックスは公文書と
みなします。

なお、この FAX-IN は、世界各国の環境保護団体・先住民族組織・反核団体などによ
びかけられています(よびかけ元は、オーストラリアの原生自然協会です。)

問い合わせ → Julie McGuiness,
        The Wilderness Society
        fax 001-61-2-6249-1002
#################################
ジャビルカ葉書キャンペーン事務局

★★★現地への支援カンパをひきつづき募っています。
   これまで約32万円を送金済みです。

★福岡での報告会は、6月30日(火)午後6時半
★仙台での報告会は、7月24日(金)午後6時半

  <hosokawk@cc.saga-u.ac.jp>
  http://itak.ag.saga-u.ac.jp/=jabiluka/98.html
  840-8502 佐賀大学 農学部 細川研究室
  tel&fax  0952-28-8738 
(郵便振替)01700-1-19686「ジャビルカ基金」
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98.6.20 ジャビルカ通信(47)

通信40号でお名前を挙げた方々に加えて、次の方々からお寄せいただいた(or お
申し出いただいた)カンパをあわせて、ECNTへの送金手続きをとりました。

これで、現地への送金は総額2,829.91豪ドル(約32万円)になりました。

下記の方々から総額72,712円(豪ドルで$839.63)の現地支援カンパのお申し出(ま
たは直接振込み)をいただきました。さっそくECNTへの送金手続きをとります。

<お申出/お振込順>(6月13日~6月18日受付分)
片岡 俊夫さま(東京都)、近藤 実さま(長崎県琴海町)、家 幸夫さま(立川市)
、安渓 遊地(ナイロビ市)、田中宗浩さま(佐賀市)、大林ミカさま(東京都)、
西尾 漠さま(東京都)

★★★どうも有難うございました。

ECNT(ダーウィンの北部準州環境センター、ジャビルカ・ブロッケードの総合調整機
関)からは、送金への感謝をあらわすメールが届いています。オーストラリアのマス
コミでも、日本の市民から「何千ドルもの支援金が届いている」との報道がなされま
した(「何千ドルもの」というのは、誇大報道かな、という気もしますが)。
*** 報道の写しをご覧になりたい方は、お送りしますので、お申し出ください。

使途については、ジャビルカ・アボリジニーの自治組織「グンジェーミ先住民族法人
」と協議のうえ、ブロッケードにおける非暴力直接行動の費用にあてる旨、確認をと
りました。

★★★現地支援カンパをひきつづき募ります。
(詳しい説明は、通信31号をご覧ください。)
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ジャビルカ葉書キャンペーン事務局

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  tel&fax  0952-28-8738 
(郵便振替)01700-1-19686「ジャビルカ基金」
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98.6.22 ジャビルカ通信(48)

通信46号でよびかけたユネスコへの FAX-IN の件。
ジャビルカ葉書キャンペーン、原子力資料情報室、ピースネットニュース、ノーニュ
ークス・アジア・フォーラム・ジャパンの4団体連名で、6月20日付で申しいれを
しました。文面は、通信46号で紹介した原稿にすこし加筆・修正しました。
(文面の写しをご希望の方は、お申し越しください。)

ユネスコの世界遺産事務局会議(第22回)は、今日から数日間にわたってパリでお
こなわれますが、カカドゥ/ジャビルカ問題を憂慮する相当数のファックスが届いた
模様で、すくなくとも議題として取り上げられることは、ほぼ確実です。また、報道
によれば、パリを訪問中のミラル・アボリジニーの代表団は、水曜日(6月24日)
に本会議で発言する機会を与えられる可能性があるとのこと。

ウラン開発に脅かされる「カカドゥ国立公園」を、ユネスコの「危機にさらされてい
る世界遺産」の公式リストに登録するかどうかは、今後の会議の動向をみなければ分
からず、あまり希望的な観測はつつしむべきですが、今回の事務局会議で検討課題と
して認知され、12月初旬の世界遺産委員会の本会議(京都ですよ!!)で可否を決
定する公算がでてきました。

★★というわけですので、京都でのロビーイングがおおいに必要になります。ご協力
ご支援おねがいします。この時期にあわせて、アボリジニーの来日も考えています。
(費用・日程などについては、まだグンジェーミ先住民族法人と打ち合わせなければ
なりません。)

なお、オーストラリアの新聞、シドニー・モーニング・ヘラルド紙(シドニー)とエ
イジ紙(メルボルン)に、この件にかんするユネスコおよび世界環境保護団体連合(
ジュネーブ)の動向を解説した記事が大きくでています。
インターネットをご利用の方は、次のサイトをご覧ください(内容は同じ)。

http://www.smh.com.au/news/980622/national/national1.htm
(見出し=UN poised to place Kakadu on danger list)

http://www.theage.com.au:80/daily/980622/news/news7.html
(見出し=UNESCO meeting to be told of risks to Kakadu)

 

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ジャビルカ葉書キャンペーン事務局

★★★現地支援カンパをひきつづき募ります。
(詳しい説明は、通信31号をご覧ください。)

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98.6.22 ジャビルカ通信(49)

ジャビルカの工事開始に関連した重大なニュースです。

北部土地評議会 (NLC) は、アボリジニー地域保護局(AAPA) に対して、北部準州警
察を「聖地破壊」の罪で告訴するように要請した。
(【細川注】オーストラリアの法律では、アボリジニーの聖地を破壊することは犯罪
となる。AAPAは、先住民族の宗教的聖地や史跡の保全のための公的機関)

NLCの事務局長によると、北部準州警察 (NT Police) は、先日、ERA社によるジャビ
ルカ採掘予定地での整地工事が開始された際、工事区域に聖地が含まれることを知り
ながら、業者の作業を止めなかった。

NLCは、ジャビルカ・ブロッケードが激化にともないアボリジニー文化(とくに秘密
聖地の保全)をめぐる微妙な問題が発生するのを回避するため、先月、警察と事前の
打ち合わせをおこなったことを認めた。今回、破壊された聖地(およそ5アール)を
ふくむジャビルカ周辺のアボリジニー聖地の所在および位置は、この会合の際、警察
側に説明ずみであるという。
(【細川注】ことがらの性質上、この種の折衝はすべて秘密会合であり、情報公開の
対象にもならない。)

警察は、この件に関して、NLCから現場の回復措置の要請をうけていることを明らか
にしたが、警察の対応に関しては NLC に直接回答し、その内容を公開する予定はな
い、と述べた。

以上、ニュース源は、ABC (オーストラリア放送協会) ニュース速報(インターネッ
ト版)です。内容に関しては、グンジェーミ先住民族法人に照会中です。

工事開始の模様については、通信42号、43号を、ジャビルカ問題をめぐるNLCの
立場については通信9号、12号、15号、29号、30号を参照のこと。

(ジャビルカ通信のバックナンバーをご希望の方は、細川までご請求ください。)

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ジャビルカ葉書キャンペーン事務局

★★★福岡での報告会は、6月30日(火)午後6時半
   といあわせ→ 093-201-3238 木戸さん

  <hosokawk@cc.saga-u.ac.jp>
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(郵便振替)01700-1-19686「ジャビルカ基金」
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98.6.24 ジャビルカ通信(50)

ユネスコ世界遺産委員会へのロビーイングが効きました。

パリを訪問中のジャッキー・カトナさんからジャビルカ現地への報告(昨日)によると、
世界遺産事務局および世界遺産委員会のメンバーは、ミラルの代表団に「非公式オブ
ザーバー」資格による世界遺産事務局会議への参加をみとめ、彼らの訴えに耳をかた
むけました。そして、ジャビルカ現地をふくむカカドゥ国立公園に<特別査察団>を
派遣することに同意しました。やったっ!

今朝のAAP電をみて、またびっくり。
この査察団の団長は、フランチェスコ・フランチオーニ博士。つまり、世界遺産委員
会の委員長じきじきのお出ましなのだ。また、かねてからジャビルカ開発を厳しく批
判していた世界環境保護団体連合(ジュネーブ)からも代表者がこの査察団の一員と
して派遣されます。事務局のスポークスマンは、「世界遺産地域でのウラン採掘は、
微妙な問題であるが、保全上の懸念を惹起しうる問題である」と述べました。

これには、オーストラリア政府が慌てています。連邦の環境大臣ロバート・ヒル氏は
、「このような査察は、まったく不必要である。ジャビルカ鉱山が世界遺産の価値に
なんら影響を与えないことを証明する機会が我々に与えられるだけだ」などと嘘ぶい
ています(今朝のABCニュース)が、オーストラリア民主党の党首メグ・リーズ上院
議員は、「世界遺産事務局の今回の決定は、わが国の恥辱である。政府が環境政策を
ないがしろにしてきた結果だ。環境大臣はほっぺたを平手打ちにされたにも等しい」
と辛辣にコメントしました。

もちろん、世界遺産条約に加盟している以上、オーストラリアは世界遺産事務局の派
遣する査察を拒むことはできません。

(予定される査察は、おそらく、世界遺産条約の定める「対処的モニタリング」reac
tive monitoring — 世界遺産価値をそこなう恐れのある事業の影響を評価するため
の現地調査と報告、それにもとづき世界遺産の指定解除あるいは「危機にさらされた
世界遺産」への登録などの措置がとられる — として実施されるものと思われます
が、この点については、未確認です。)

(**秀明大学の苑原先生、世界遺産モニタリングについての条約資料をお送りいた
だき、どうも有難うございました。)

査察団の派遣日程は確定していないようですが、世界遺産事務局によれば、査察報告
書は、11月~12月の京都会議の準備会合に提出され、それにもとづいて、京都会
議で評価がおこなわれることになります。つまり、京都会議で、ジャビルカ開発に「
イエローカード」を出すことが可能になってきました。(赤信号というほど、楽観は
できません。)

いよいよ、京都会議へのロビーイングの重要性が増してきました。(今週、パリでお
こなわれているのは、京都会議の準備のための事務局定期会合です。)

■京都会議日程:
11/27-28  世界遺産条約事務局 (World Heritage Bureau) 特別会合
11/30-12/5 世界遺産委員会(World Heritage Committee)第22回年次会議

以前の号で「12月」と書いてしまいましたが、ご覧の通り、11月下旬から始まり
ます。
(No Nukes Asia Forumの多田さん、訂正情報ありがとうございました!)

 

★世界遺産事務局/委員会へのファックス・インにご協力いただいた方々、どうも有
難うございました。世界各国から100通近いファックスが殺到したそうです。日本
からは、原水禁事務局、アイリーンスミスさん(グリーンアクション)、市民フォー
ラム2001、ジャビルカ葉書キャンペーン(原子力資料情報室、ピースネットニュース
、ノーニュークス・アジア・フォーラムと共同)などが要請書をファックスしました。
(この他に、送ってくださった方、あれば、当方までご一報ください。)
#################################
ジャビルカ葉書キャンペーン事務局

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(郵便振替)01700-1-19686「ジャビルカ基金」
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