98.10.8 ジャビルカ通信 第72号

98.10.8  ジャビルカ通信 第72号

 ごぶさたしてしまいました。9月中はほとんど留守にしていて、いろいろなお問い
合わせに全く対応できず、すみません。帰国後、無理不摂生がたたり、ダウンしてし
まいました。この間もジャビルカ開発問題をめぐるオーストラリアでの動きはいろい
ろありました。とりあえず、重要なニュースをいくつか短信でおつたえします。

(1)オーストラリア連邦総選挙が10月3日投票され、現在、集計がすすんでいる
(豪州では「順位指定投票」方式のため全議席が確定するまで2週間近くかかる)。
大勢はすでに日本の各紙でも報道されているように、ハワード政権(保守連合)が、
議席を大幅に減らしつつも、なんとか下院の過半数を確保して、政権を維持。したが
って、ジャビルカ開発推進の政策も変わらず、である。ジャビルカ開発中止を(一応
)「公約」としてかかげた労働党は、大幅に議席を増やしたものの、与野党逆転には
いたらず。上院(半数改選)では、与党(保守連合)が過半数に届かない模様で、ひ
きつづき「ねじれ国会」の状況が続く。

(2)選挙期間中のこと、ダーウィンのERA社の施設(環境モニタリング関係の研究
施設)が火炎瓶で襲撃されるという事件がおきた(9月20日深夜)。北部準州政府
の資源開発大臣エリック・プール氏は、ジャビルカ反対派による暴行ときめつける声
明を発表。連邦政府環境大臣のヒル上院議員も、襲撃をはげしく非難するコメントを
述べた。ジャビルカ・ブロッケードの広報担当は、今回の襲撃は、ブロッケード活動
とはまったく関係がないと声明。ジャビルカ開発反対運動はあくまで非暴力手段によ
り継続していくことを強調した。警察は捜査をすすめているが、犯人および動機は不明。

(3)オーストラリア連邦政府は、ユネスコ世界遺産委員会に対し、10月4日に予
定されていた同委員会による(ジャビルカ開発予定地およびレンジャー鉱山をふくむ
)カカドゥ現地査察を10月25日以降に変更するよう要請。このため、11月28
日から京都で開かれる世界遺産会議にジャビルカ問題についての調査報告書が間に合
うかどうか、日程的に微妙となった。地球の友オーストラリアは始めとする環境運動
諸団体は、このオーストラリア政府による露骨な妨害を非難し、予定通り現地査察報
告を京都会議に提出するよう世界遺産委員会に要請するファックス・インを開始した。

(4)ドイツのケルン市で9月30日、ジャビルカ開発とカカドゥの世界遺産破壊に
抗議する行動がおこなわれた環境団体および先住民族支援団体のメンバーが、ケルン
大聖堂前の広場で、ジャビルカ開発をめぐる問題についての広報活動とともに、開発
反対の街頭署名活動がおこなわれ、ケルン大聖堂はカカドゥと同じくユネスコの世界
遺産に指定されているため今回の街頭活動の場所に選ばれた。集まった署名は即日、
ボンのオーストラリア大使館に提出された。大使館前では抗議デモもおこなわれた。
オーストラリア緑の党のボブ・ブラウン上院議員は、ドイツ新政府(連立政権)に参
加する予定のドイツ緑の党に書簡を送り、ドイツ新政権がジャビルカからのウラン輸
入をおこなわないよう要請した。
(ドイツが原発で使用するウランの約2割は豪州産である。)

(5)ジャビルカ現地では、9月28日、「ジョン・ハワード不法侵入デモ」がおこ
なわれた。ハワード首相のお面をかぶった約100人のブロッケード参加者がジャビ
ルカ工事区域に立ち入り、うち約90人が「不法侵入」で逮捕された。逮捕された者
たちは、氏名尋問に対し、全員「ジョン・ハワードで~す」と答えたため、保釈され
ずジャビルー警察署内に拘留されている(またもや定員オーバーである)。この行動
は、イボンヌ・マルガルラさん(5月に「不法侵入」で逮捕されたジャビルカ・アボ
リジニーの女性長老)がザルツブルクで「核のない未来賞」を授賞するのにあわせて
おこなわれたもの(ジャビルカ通信60号と61号を参照)。

(6)10月2日、ダーウィン港でレンジャー鉱山産ウランの船積みを阻止する行動
がおこなわれた。約30名のデモ隊は十倍近くの数の警官隊に阻まれ、船積みは予定
より少し遅れたものの実施された。逮捕者なし。

(7)これより先、9月25日、ジャビルカ鉱山開発工事の現地では、主採掘孔を掘
削するドリル作業が開始された。ドリル作業は3交代24時間制で12ヶ月かけてお
こなわれる予定。地下のウラン鉱脈に達する長さ約1800メートルのトンネルを掘る。
この工程の進捗が雨期によってどの程度影響をされるかは、不明。

(8)環境アセスメントが終了しないうちにジャビルカ開発工事に着工許可がだされ
た問題(ジャビルカ通信63号と64号を参照)について、開発に反対する現地アボ
リジニーの自治組織であるグンジェーミ先住民族法人は、連邦政府の2大臣(環境大
臣および資源エネルギー大臣)とERA社を相手どり、許可無効の判決を求めて連邦裁
判所に提訴した(9月8日)。原告代表はイボンヌ・マルガルラさん。また、これと
は別に、イボンヌさんらは「不法侵入事件」(ジャビルカ通信16号、17号、66
号、67号、70号参照)についても、控訴することを決めた。これで、ジャビルカ
開発をめぐるアボリジニーからの訴訟は4件となった。

(9)ジャビルカ・ブロッケード事務局は、カカドゥが雨期にはいるため、10月末
をめどにブロッケード・キャンプをいったん撤収し、来年の雨期あけ(4月頃)に再
開する方針を発表した。

 

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