99.5.21 ジャビルカ通信 第103号

99.5.21 ジャビルカ通信 第103号

 火曜日(18日)から一時的にジャビルカ鉱山の坑道掘削工事を停止していたER
A社が、本日、発破を再開した。これでERA社の掘削機は、ミラル・アボリジニー
にとってもっとも重要な宗教聖地である「ボイウェッグ・アルムジ■聖地複合区域」
(■のドリーミング)に突入することになる。

この聖地の保全計画をめぐるERA社とミラル氏族との協議は、昨日、決裂した。ア
ボリジニー側が、保全計画が策定されるまで工事を再開しないことを要求したのに対
し、会社側は工事を進めながらの調査を主張し、アボリジニーはこれを拒否した。

 このまま、保全計画が策定されないまま開発がすすめば、ウラン鉱石の輸出許可が
 ユネスコ世界遺産委員会は、ERA社に対して工事停止をあらためて要請した。

 ユネスコの委託をうけてジャビルカ開発の環境保全面についてのオーストラリア政
府の報告内容を検討していた国際自然保護連合(IUCN)と国際記念物遺跡会議(
ICOMOS)は、昨日、それぞれユネスコ世界遺産委員会に対して、カカドゥ国立
公園をただちに「危機に瀕する世界遺産」に登録する必要があると勧告した。

 オーストラリア連邦政府のロバート・ヒル環境大臣は、この勧告を「政治的な態度
だ」としてIUCNとICOMOSを激しく非難する声明を発表した。ICOMOS
のオーストラリア責任者は、ICOMOSはもっぱら技術的な観点から調査勧告をお
こなう専門機関として定評をえており、ヒル環境相のヒステリカルな非難はまったく
不可解である、と反論した。連邦議会の均衡票をにぎる民主党は、連邦政府のこのよ
うな態度は、国際的にオーストラリアを辱める以外のものではない、と強く環境相を
とがめる声明を発表した。

 IUCNとICOMOSは、環境保護活動家のあいだでは、どちらかといえば保守
的・穏健派の組織として知られており、これらを「過激な環境主義」として断罪する
ヒル環境大臣の発言は、失笑をまねいている。

 ミラル・アボリジニーの自治組織であるグンジェイミ先住民族法人は、本日、先住
民族文化財保護法(連邦法、直訳すると「アボリジニーおよびトレス海峡諸島民の遺
産保護のための法律)の定める特別調査の開始を求める申請を連邦政府に提出した。
この法律の執行は連邦環境省の管轄であり、グンジェイミの申請が認められれば、環
境大臣は、ジャビルカ工事区域内の文化保全状況について独立調査委員会を設立する
責任をおう。もし調査が始まれば、97年にジャビルカ開発工事の認可を出した際に
環境大臣が条件づけた数多くの事項が、その後、ERA社や北部準州政府によってま
ったく守られていないことが大きな問題となるだろう。

 オーストラリアの数多くの環境団体、自然保護運動家、研究者、個人らは、本日、
連名で、ユネスコ事務総長に書簡をおくり、カカドゥ国立公園をただちに「危機に瀕
する世界遺産」リストに登録するよう要請した。環境団体「地球の友」(オーストラ
リア支部)では、この要請状に対する賛同者を世界から募っている。
 ※この書簡の文面(英文)をご覧になりたい方は、ご連絡ください。メールでテキ
ストを送付いたします。
 
【おわび】 先月来、大勢の方々から資料請求、問合わせ、etc. のメールをいただ
いています。対応が非常に、非常に、遅れております。すみません。ごめんなさい。
いま暫し、ご猶予ください。順次、回答・資料送付・etc してまいります。

 

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ストップ・ジャビルカ・キャンペーン事務局
   <hosokawk@cc.saga-u.ac.jp>
  840-8502 佐賀大学 農学部3号館 細川研究室
  tel&fax  0952-28-8738 
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99.5.21 ジャビルカ通信 第103号

すみません、編集途中のテキストを発信してしまいました。最初の段落を下記のよう
にさしかえて下さい。(細川)
99.5.21 ジャビルカ通信 第103号

【誤】
 火曜日(18日)から一時的にジャビルカ鉱山の坑道掘削工事を停止していたER
A社が、本日、発破を再開した。これでERA社の掘削機は、ミラル・アボリジニー
にとってもっとも重要な宗教聖地である「ボイウェッグ・アルムジ■聖地複合区域」
(■のドリーミング)に突入することになる。

【正】
 火曜日(18日)から一時的にジャビルカ鉱山の坑道掘削工事を停止していたER
A社が、本日、発破を再開した。これでERA社の掘削機は、ミラル・アボリジニー
にとってもっとも重要な宗教聖地である「ボイウェッグ・アルムジ聖地複合区域」(
コブオヤモリ knob-tailed gecko のドリーミングの土地)に突入することになる。

99.5.12 ジャビルカ通信 第100号

99.5.12 ジャビルカ通信 第100号

 大阪市当局に対し、下記のような公開質問状および要請状を提出します。

そこで、皆さんにお願い:

【1】 質問・要請にご賛同ください。

   内容をご一読のうえ、ご賛同いただけるようでしたら、「賛同者」になってく
ださい。(お名前と肩書きを細川あて、ご一報ください。) 

   ※大阪市とは6月初旬あたりに交渉をします。その際、これだけの賛同者があ
る、という「交渉圧力」にさせていただきたいと思います。
  
   ※大阪市民以外の方々でももちろん結構です。
【2】 質問事項や要請事項に関する御批判・御提案その他、お気付きの点をお寄せ
ください。質問状/要請状はとり急ぎ下記文面のまま、今日、大阪市に提出しますが
、お寄せいただいたご意見・提案は、6月の交渉になるべく反映させたいと思います。
【3】 大阪市との交渉にあたり、ヒントになりそうなこと、(どこそこの部局のだ
れそれ氏は話がわかるとか)、あれば是非、ご教示ください。
なぜ、大阪市か?

●関西電力の筆頭株主だからです。関電ぬきにジャビルカ開発はありません。
したがって、大株主である大阪市が、環境保全・人権保障・国際関係などの見地から
、見直しを迫れ、という作戦です。

●オーストラリアでは、ノース社(ERA社の親会社)の大株主の銀行などへの働き
かけを強めているところです。
—–(転載はじめ)——

1999年5月12日

大阪市長 殿
  cc: 大阪市 国際交流課長
  cc: 大阪市 環境保健局長

ジャビルカ鉱山開発に対する出資に関する公開質問状および要請状

   ストップ・ジャビルカ・キャンペーン
   ノーニュークス・アジア・フォーラム・ジャパン
   グリーンアクション
   関西電力個人株主有志
 オーストラリア北部の世界遺産カカドゥ国立公園地域において、現在、関西電力そ
の他の企業・銀行・公社等の出資により開発工事がすすめられているジャビルカ・ウ
ラン鉱山計画について、関西電力株式会社の筆頭株主でもある大阪市に対し、下記の
通り、質問および要請を申し上げます。ご検討いただき、書面にて御回答をいただき
たく、お願い申し上げます。

 なお、私どもは、ジャビルカ開発問題が日本で知られるようになった1997年以降、
この鉱山計画にともなう環境破壊および人権侵害を憂慮し、またこのように問題の多
い開発計画が日本の公共企業体の出資によって進められ国際的批判を招いていること
を深く憂慮する市民の集まりです。大阪市民、大阪市内に勤務する市民、関西電力の
個人株主などで構成されております。特定の政治団体・宗教団体とは関係ありません。
【質問事項】

1.      大阪市は (株) 関西電力の筆頭株主ですが、同社がジャビルカ・ウラン鉱山
開発にどのような経緯で出資してきたか、また、採掘予定のウラン購入に関するどの
ような契約を結んでいるか、事実関係を把握しておられますか。あるいは関西電力側
からどのような説明を受けておられますか。

2.      同開発計画については、現地住民である先住民族 (アボリジニー) が強く反
対し、また、内外の環境保護団体や環境保全専門家も厳しく批判していますが、日本
の公共企業体がそのような計画に出資することについて、いかがお考えですか。

3.      昨年11月から12月にかけて京都市で開催されたユネスコ世界遺産委員会の第
22回会議において、ジャビルカ鉱山開発に対して工事停止勧告が採択されましたが、
ご存知でしょうか。わが国もユネスコ世界遺産条約の締約国である以上、この委員会
勧告を尊重し、自治体としてもそれに対応した措置をとるべきであると私たちは考え
ますが、いかがでしょうか。

4.      大阪市による出資の財源が市民の税金や国からの交付税 (つまりは国民の税
金) である以上、市の出資内容について明らかにするとともに、出資方針や出資先選
択の条件を市民・国民に対して説明し、また市民・国民の意見を反映させる責任があ
ります。大阪市による出資のあり方として、環境破壊や人権侵害をまねく事業に出資
しない、という原則を確立する必要があると私どもは考えますが、いかがでしょうか。

5.      オーストラリアで2000年に開催予定のシドニー・オリンピックでは、組織委
員会レベルでも、また市民レベルでも、施設建設や運営において環境保全にさまざま
な配慮をする努力を重ねているそうですが、大阪市としてはオリンピック誘致にあた
りこのような姿勢を継承する具体的な用意がありますか。
【要請事項】

 大阪市では、オリンピック誘致など、国際都市としての飛躍をめざしていると理解
しておりますが、さまざまな国際条約・国際規約などの精神を積極的に生かし、体現
していくことも、国際社会における自治体としての重要な要件のひとつであろうかと
思われます。ジャビルカ開発に関しては、ユネスコ世界遺産条約、ラムサール条約、
生物多様性条約、人種差別撤廃条約、国際人権規約、日豪渡り鳥条約など、さまざま
な国際法に抵触することが指摘されています。そのような不適切な開発計画への支援
を中止し、国際都市として衿をただすことが、世界から今後一層求められるのではな
いでしょうか。このような見地から、また大阪市民・日本国民の税金を環境破壊事業
に投資しないという環境保全自治体としての政策判断の観点からも、カカドゥ国立公
園におけるジャビルカ鉱山開発事業への出資を緊急に見直していただきたいと考えます。
 私どもは、きたる6月下旬の関西電力株主総会において、原子力発電をめぐる様々
な株主提案のひとつとして、ジャビルカ開発計画への出資中止とジャビルカ・ウラン
購入契約の破棄を提案する予定です。議案書 (該当部分) の写しを添付いたしますの
で、株主である大阪市として、この議案にご賛同いただきたく、ここに要請申し上げ
ます。
 また、この件にとどまらず、国際社会のなかにおける責任と誇りある自治体として
姿勢を世界に示すため、市の出資にかかわる環境保全ガイドライン、人権平和ガイド
ラインの策定を早急に御検討いただくよう要請いたします。

なお、あわせてジャビルカ開発問題に関する報道資料ほか関連資料を添付いたします
ので、鋭意ご検討いただくようお願いいたします。

添付資料 1. ユネスコ世界遺産委員会 (京都会議1998) 決議
     2. ジャビルカ開発問題についての日本語報道資料
     3. ジャビルカ開発問題についての英文報道資料
     4. 関西電力株式会社  株主総会議案書 (関係部分のみ)
     5. ジャビルカ開発問題に関する市民運動からの声明など
     6. ジャビルカ開発問題に関する欧州議会決議 (1998)

本件連絡担当:   ノーニュークス・アジア・フォーラム・ジャパン事務局 (担当佐藤)
                        544-0033 大阪市 生野区 勝山北 1-7-28
                        電話/FAX  06-6712-9955

—–(転載おわり)——

 

【おわび】 先月来、たいへん大勢の方々から資料請求、問合わせ、etc. のメール
をいただいています。対応が非常に遅れております。いま暫し、ご猶予ください。順
次、回答・資料送付・etc してまいります。

【ご注意】 細川あるいはキャンペーン事務局が皆さんあてのメールで添付書類を使
用することはありません。「細川弘明.txt」、「ジャビルカ通信.txt」ないし類似名
称のメール添付書類が届いた場合、★決して開封せず★ただちにハードディスクから
削除して下さい。繰り返します。そのような添付書類ファイルを絶対に★絶対に★開
かないでください。悪質な妨害です。詳しくは、ジャビルカ通信99号をご参照くださ
い。(電子メールだけでウィルスに感染することはありません。添付文書を廃棄すれ
ば、大丈夫です。)
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99.5.12 ジャビルカ通信 第101号

99.5.12 ジャビルカ通信 第101号

5月10日付、日経産業新聞記事です。新聞記事につき、転載禁止。
写真つき8段組み(見出し4段ぬき、中見出し3段ぬき)のかなり大きな記事です。
(情報提供は、吉川さん@反核パシフィック・センター東京です。有難うございまし
た。)

—–(転載はじめ)——

豪でウラン鉱開発相次ぐ

2鉱山が増産へ  「新規」も2ヶ所

【写真】増産が進むWWCのオリンピックダム鉱山(南オーストラリア州)

(シドニー=大石信行)

 オーストラリアでウラン鉱の開発事業が相次いでいる。現在、操業中の二鉱山で増
産計画が進行中で、さらに二つの鉱山会社が開発に着手する計画も明らかになった。
九六年に鉱山の開発を制限していた労働党から保守連合に政権が変わったことが背景
にある。しかし、環境問題への関しんが国際的に高まる中で、発電むけウラン需要が
今後は伸び悩むとの見通しもあり、豪州の増産がウラン価格の低迷を招く可能性もある。
 増産を進めているのは、資源大手WWCとエナジー・リソーシズ・オブ・オースト
ラリア(ERA)。WWCは南オーストラリア州オリンピック・ダムでのウラン鉱山
の増産にこのほど着手。昨年まで年間千七百トンだった生産量を今年から二千五百ト
ンにする。さらに数年先の増産体制が整った後の年間生産量は四千六百トンとなる見
通し。

 北部準州のレンジャーでウラン鉱を生産しているERAは現在、近くのジャビルカ
で昨年から第二鉱山の開発に乗り出した。レンジャー鉱山は年間五千~六千トンの生
産能力を持つが、これに同二千五百トンの規模を持つジャビルカが二◯◯一年には加
わる予定。

 新規開発では、米エネルギー大手のジェネラル・アトミックが南オーストラリア州
ビバリーで、またカナダ系のサザン・クロス・リソーシーズが南オーストラリア州の
ハニームーンで新たに開発に着手する。ジェネラル・アトミックは来年から生産を始
め、数年内に年産千トン規模とする。またサザン・クロスは二◯◯◯年をメドに操業
を開始し、年産千トンを予定している。

 ウランの国際価格は、米国やロシアの核兵器からの転用分が発電用として市場に流
入した結果低迷、八◯年代半ばには一ポンドあたり三十ドルだったスポット価格が昨
年は十ドルを切る水準まで下落した。現在は核兵器からの転用が一息ついたことから
、国際価格も十ドル強まで回復している。

 しかし、環境問題に対する意識が高まる中、原子力発電向けの需要が伸び悩むこと
も予想され、「豪州の生産増を受けて価格が急落する可能性がある」との声も出ている。
環境面での反対根強く

 環境保護運動の盛んなオーストラリアでは、原子力発電の材料となるウラン鉱の採
掘に反対する声も根強い。特にERAが北部準州で進めているジャビルカ鉱山は豪州
最大の国立公園カカドゥの中に位置するため、開発が始まった現在でも先住民のアボ
リジニや環境団体を中心に反対運動が続いている。

 カカドゥ国立公園は国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録され、ア
ボリジニの聖地があることでも知られる。ERAはもともと八二年にアボリジニを中
心とする地元住民と賃貸契約を結び、ウラン鉱の採掘計画を進めたが、当時の労働党
政権の反対から計画は一時凍結された。九六年になって保守連立政権が誕生すると、
開発にゴーサインが出た。

 ユネスコは昨年十一月に同鉱山の環境調査を実施し、開発の中止を求める報告書を
まとめた。これに対し豪政府は今月、ウラン鉱山の開発は環境になんら悪影響を与え
ないとする報告書を発表、鉱山開発を予定通り進める方針だ。

(シドニー=大石信行)
—–(転載おわり)——

補足:

記事の最後の段落に「豪政府は今月」とありますが、正しくは、先月(99年4月)です。
鉱山開発工事が来週にはいったん停止されることは、ジャビルカ通信前号でお知らせ
した通り。

over
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99.5.12 ジャビルカ通信 第101号

99.5.12 ジャビルカ通信 第101号

 ERA社は昨日(99.5.11)付けで、次のような記者発表をしました。日本語訳と
原文を掲載します。なかなか、ふるってますよ、シャーヴィントンさん。
—–(翻訳はじめ)——

ERA社、ジャビルカ坑道工事の工事を一時的に停止

 ERA社の総支配人フィリップ・シャーヴィントンは、本日、次のように発表した
。ジャビルカ鉱山の坑道建設工事は、技術上および日程上の都合により、1999年5月1
8日から一時的に停止される。

 この工事停止は、伝統的土地権利者との交渉とは無関係であるが、彼らがかねてよ
り主張していた文化遺産管理計画の策定のための当事者協議の前提条件がこれで偶発
的ながら満たされることになる。

 私どもは、ここ数日のあいだに当事者協議が決着することを期待する。

—–(翻訳おわり)——

—–(原文転載はじめ)——

ERA to temporarily suspend advancement of the Jabiluka decline.

ERA Chief Executive, Phillip Shervington advised today that advancement of t
he Jabiluka decline will be temporarily suspended for technical and scheduli
ng reasons from Tuesday 18 May 1999.

While this suspension is unrelated to negotiations with Traditional Owners,
it incidentally meets the precondition given by them for their cooperation i
n discussions to develop a process to complete the Interim Cultural Heritage
Management Plan.

We look forward to finalising consultations with Traditional Owners
over the next few days.

—–(原文転載おわり)——
若干の補足:

グンジェイミ先住民族法人(ミラル氏族の自治組織)は、この件につき、次のように
コメントしています。

1. 坑道工事は今まさにミラル氏族がもっとも重要な聖地として守ろうとしてきた「
ボイウェック・アルムッジ聖地複合」(the Boywek-Almudj Sacred Site Complex) の
地下部分にかかろうとしている所だった。(ミラル氏族は、そのことを4月上旬にE
RA社に警告していた。)

2. オーストラリア連邦政府は、ユネスコ世界遺産委員会への回答報告書(ジャビル
カ通信94号参照)において、ミラルの主張する聖地が「1998年に突然、出現した」と
しているが、これは事実に反する。ERA社や連邦政府の各種報告書に引用されてい
る人類学文献の著者たちによって、ボイウェック聖地とアルムッジ聖地を意味づける
一体の神話が記録されている。

3. 北部土地委員会(アボリジニーの土地権を管轄する公的機関)は、ユネスコ世界
遺産委員会への意見書において、上記2の連邦政府の主張が不正確である、と述べて
いる。

4. ミラル氏族にとって最も重要な宗教聖地の手前で工事を停止して協議の開始を迫
るのは、「技術的理由」というよりも、心理学的技術ではないか、との疑いを禁じえ
ない。

(補足おわり)

 

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99.5.7 ジャビルカ通信 第99号

99.5.7 ジャビルカ通信 第99号

 正体はよく分からないのですが、ジャビルカ・キャンペーンに対する妨害かもしれ
ない不可解な出来事が続いていますので、「注意報」発令、といたします。

 インターネット破壊活動(ネット・クラッキング)に詳しい方、ぜひアドバイスく
ださい。
 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
 ┃ 細川が皆さんあてのメールで    ┃  
 ┃ 添付書類を送ることはありません。 ┃ 
 ┃                  ┃
 ┃「細川弘明.txt」、「ジャビルカ.txt」 ┃               
 ┃ ないしは類似の名称の添付書類が  ┃
 ┃ 届いた場合は、けして開かず、   ┃
 ┃ ただちに削除して下さい。     ┃
 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
最近の不可解な現象とは、

(1)「細川弘明」あるいは「ジャビルカ通信」を発信人名とする無言メール(とい
うのかしら、開けても何も書いてないメール)が本通信の一部の読者の方に届いてい
ます。

   ★細川はそのようなメールを送っておりません。

   ★テキストが空っぽのメールでも添付書類がともなっている場合、皆さんのハ
ードディスクのどこかに添付書類が読み込まれている可能性があります。

   ★通常は添付書類を変換したログがメールの末尾に表示されますが、ソフトの
設定によってはまったく表示されず、したがって添付書類が誰のメールに添えられて
届いたのか分からない場合があります。

   ★(ほんものの)細川は、従来通り、発信人名「Hosokawk」を使用しますので
、上記のような「細川弘明」、「ジャビルカ通信」を発信人名とするメールは誰か別
人が送信したものです。

   【対応策】 そのようなメールが届いた場合は、差出しメールアドレス(From
: 欄に記載されるもの)を記録して、細川にお知らせください。また、受信 log (
送信経路や Reply To: などの情報)がとれる場合は、その写しを提供して下さい(F
irewall のlogがあれば、ぜひ!)。犯人探しに役に立ちます。発信者が解明した場
合は、ただちに告訴します。
   
   ※もし発信者が皆さんが御存知の人物である場合、電話などで直接連絡をとっ
て、そのメールを本当にその人が発信したのかどうかを確認してください。

 

(2)細川あてにメール添付書類で「細川弘明.txt」、「ジャビルカ.txt」などとい
う名称の文書ファイルらしきもの(?)が幾通も届いています。誰のメールに添付さ
れたものかは分かりません。ウィルスである可能性があるので、開封せずに削除して
います。
 (細川のところには毎日およそ70~80通のメールが届きますし、そのうち30
~50通はSubjectだけ読んで削除していますので、添付書類変換logを確認できませ
ん。)

   【対応策】 皆さんに同様の添付書類が届いた場合、
        ゆめゆめ、絶対、けっして開封しないで下さい。
    ★★★ 繰り返します。開封しちゃ駄目ですよ。
        ただちに削除して下さい。

    メールの受信だけでウィルスに感染することはありません。
    添付書類にウィルスが仕組まれている場合でも、その添付書類を
    開かずに削除すれば、感染しません。
    (開いちゃったら、どうなっても知らないからねー!)

   ※なお、細川は原則として添付書類をお断りしています。特定の人から特定の
用件で添付書類が届くと分かっている時を例外として(この例外が結構、多いんです
けれども)、すべての添付書類を読まずに削除しておりますので、悪しからず。
(3)細川あてに4月初旬から繰り返し(週に3~4便)、ウィルス感染添付書類(
有名な Happy99.exe など)が届きます。これも、ただちに削除していますので、感
染は免れていますが。

上記(2)と(3)に関係があるのかどうかは、分かりません。
(4)これは全く別文脈の出来事なのかも知れませんが、4月中旬から、細川あてに
、矢鱈ぎょうさん(毎日4~5回)、さまざまな「勧誘」のお電話がはいります。金
の先物取り引き、銅の先物取り引き、錫採掘の合弁企業の社債の購入、アルミサッシ
関連企業の未公開株の購入のおすすめ、etc., etc., 笑っちゃいます。昨日は、「パ
ラジウムの先物取り引き」の勧誘があって、へえぇ! と驚きました。で、一体なん
で僕に電話してるの、と聞くと、「文部省関係さんの名簿で」(これは多分、ウソ)
とか、「●●大学(=小生の出身校)さんの関係で」とか、言いますが、なかには「
鉱山関係のご研究をなさっているとうかがいまして」というのもあって、はは~っ、
という感じです。
(「節税対策にマンションを買え」という電話もよくかかってきますが、これは小生
の職場の同僚たちにもかかっているようで、本当に「文部省関係さんの名簿」を使っ
ているみたいですね。)
やれやれ …
ともあれ、皆さんのメール・システムなどで、不審な事象がありましたら、お手数で
すが、ご一報ください。

ジャビルカ通信は読者が2000人以上いらっしゃるので、事実上、「不特定多数」
の世界になってます。でも、皆さんからの様々なご支援にささえられていますので、
こんなつまらぬ妨害に揺さぶられることなく、どうかお付き合いくださいまし。
【おわび】 先月来、大勢の方々から資料請求、問合わせ、etc. のメールをいただ
いています。対応が非常に遅れております。いま暫し、ご猶予ください。順次、回答
・資料送付・etc してまいります。
ちなみに、小生の勤務先である佐賀大学は、昨年の秋頃から集中的にネット・クラッ
キングの攻撃をうけています。(ジャビルカ通信のせいじゃないと思いますが ^^;  )
情報処理センターの人たちが log を解析して発信元を特定したケースもありますが
、すべて本人が知らないあいだの不正使用(パスワード盗用)だったようです。それ
と、これは知らなかったので呆れたんですが、職場によっては login/logout のログ
を残さずに使用することが可能なところもあるんですってねぇ。う~む。

 
★ストップ・ジャビルカ・キャンペーン、
こんな事ではへこたれません。
引き続き、ご支援のほど、よろしくおねがいします!

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99.5.6 ジャビルカ通信 第98号

99.5.6 ジャビルカ通信 第98号

 『反原発新聞』の求めに応じて書いた原稿(5月号に掲載予定)に少し加筆したも
のを公開いたします。新聞のほうには、紙幅の都合で、少し短く編集されたものが掲
載されることになるようです。

—————————–

高レベル廃棄物の国際処分場構想「パンゲア計画」が明らかに
 オーストラリアで以前から噂のあった核のゴミ国際処分場立地構想が具体的に浮上
してきた。2月末、米国のパンゲア社は、豪州内陸の乾燥地帯に大規模な地下埋設施
設を建設し、世界各国の原発の使用済み燃料(MOXを含む)、再処理高レベル放射性
廃棄物、核兵器解体廃棄物などを集中的に処分する構想をオーストラリア連邦政府に
対して文書で提示した。同社は立地調査をすでに開始している。連邦政府はこの提案
を受け入れない方針を明らかにしたが、これを額面通りの拒絶と解釈する人は少ない
。緑の党、民主党など野党は、放射性廃棄物の輸入を禁止する法案を上程する構えだ
が、政府はこの法案に同意しない模様。昨年11月、連邦政府要人がパンゲア社から
詳細な説明を受けていたことが、今年3月になって報道され、政府の対応に不信を招
いている。そもそも今回の計画のルーツが豪州政府主導のシンロック技術(高レベル
液体廃棄物のセラミック固化)研究計画にあることはパンゲア社も明言している。

 国際処分場は、建設だけで2兆円規模の事業であり、運用開始後はGNPの1%以
上に貢献し、毎年20億円の税収を生み、インフラ整備など関連事業の経済効果も大
きいとされる。すべて獲らぬ狸の話だが、パンゲア計画に対してはすでに英国核燃料
公社(BNFL)が10億円規模の投資をしており、豪州国内の鉱山関連会社にもパ
ンゲア社と合弁の動きがある。パンゲア計画急浮上の背景には、米国で原発のゴミ処
分地が確保できず電力会社が政府を訴えるという切迫した事情もある。クリントン政
権は非公式にパンゲア計画を後押ししている。

 3月上旬にアリゾナ州タスコンで開かれた廃棄物管理国際会議では、豪州パンゲア
資源社(米国パンゲア社の子会社)の研究員らが数件の発表をおこない、同社の構想
内容が公表された。それによると、地下水移動が少なく安定した花崗岩地層を選定し
、まず使用済み燃料7万5千トンを受け入れる。埋設深度は明記されていない。当初
の運営費は年間約500億円で、管理年数は40年(その後、25万年は密閉放置!
)とされる。7万人以上の新規雇用を生むとの予測は、失業対策に悩む豪州政府にと
って喉から手が出るような数字ではあろう。核廃棄物の長距離移動はIAEA(国際
原子力機関)の基準に則しておこない、その安全性はこれまでの日欧間の輸送実績が
示している、とパンゲア社は主張する。

 立地点は公開文書には明記されていないが、各紙報道と関係者のコメントを総合す
ると、西豪州ピルバラ内陸部(グレートサンデー沙漠)、同州カルグーリ以東(グレ
ートビクトリア沙漠)、南豪州ウーメラ以北(エヤー地方)が有力である。いずれも
ウラン採掘や探査活動の行われた地区であり、「ウランを輸出するならば、最終的な
廃棄物を引き取る義務がある」という豪州経済界のかねてからの言説を裏付ける形と
なった。豪州各地で野放図なウラン開発をおこなってきた日本政府の責任も厳しく問
われる。パンゲア計画の最有力候補地とされる西豪州マルガロック地区(グレートビ
クトリア沙漠)は旧動燃が試掘孔を放置して環境汚染が指摘されている場所である。

 取り沙汰される候補地は先住民族アボリジニーの土地権が係争中の地域ばかりであ
る。アボリジニーの反発は当然ながら強い。内陸部アボリジニーの有力指導者であり
自らもマラリンガ核実験の風下ヒバク者であるヤミ・レスター氏はABC放送のイン
タビューに応じて「先住民族の土地にゴミを置けばよいとする発想そのものに不快を
覚える。安全に処分できるというのなら、なぜ自分の国に置いておけないのか」と述
べた。また、西豪州アボリジニーの女性活動家ジョーン・ウィングフィールドはロン
ドン・オブザーバーとのインタビューに応えて、「私たちアボリジニーは、これまで
もウラン採掘と原爆実験で苦しめられてきた。このうえ、私たちの子供たちをイギリ
スの毒で殺そうというのか」と憤りをこめて述べた。
※会社名 Pangeaの英語読みは「パンジーア」ですが、地質学の超大陸パンゲア仮説
に由来した名称であることから、カナ表記を「パンゲア」としました。

※※オーストラリア内陸部における英国の核実験については、『世界民族問題事典』
(平凡社)の「マラリンガ」の項をご覧ください。

 

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