99.6.30 ジャビルカ通信 第108号
前号で葉書キャンペーンのお知らせをした際、フランスへの航空便を「90円」と
書きましたが、これは去年までのことで、その後、値下がりして、葉書であれば70
円でいくそうです。訂正。
★★ みなさん、なるべく今週中に出してね!
■さて、さきほど、はいってきたニュース(www.abc.net.au/news/newslink/nat/new
snat-30jun1999-68.htm)。
連邦政府によるジャビルカ鉱山開発許可の前提となった環境アセスメントが適切だ
ったかどうかを約2ヶ月かけて検証・再調査してきたオーストラリア連邦上院の環境
委員会は、本日(6月30日)午後、報告書を採択した。
それによると、問題の環境アセスメントには、拙速のあまり、深刻な欠陥がいくつ
もあり、工事および鉱山操業がカカドゥ国立公園の社会的・環境的・文化的な価値に
対してもたらす影響を十分に考慮したとはいえない、として、ジャビルカ開発の中止
が求められている。
【細川コメント】 ハワード内閣が同委員会の勧告を、はいそうですか、と受け入れ
る見込みはまったくありませんが、ユネスコ世界遺産委員会での審議には、それなり
の影響があるでしょう。上院の報告書はただちにパリのユネスコ事務局にも送付され
ました。
関西電力は、開発はオーストラリア政府の厳格な環境影響評価をクリアして始まっ
たのだから問題ない、とこれまで主張しつづけてきたのですが、そのアセスメントそ
のものに欠陥があることが公的な見直し調査によって確認された次第です。
特に、ウラン製錬鉱滓(テーリング)の処分方法について十分な検討がなされずに
アセスメントを終了したこと、また、アボリジニー文化保全計画を策定しないまま工
事が許可されたことなどは、上院報告書が厳しく批判するとおりです。
■もうひとつ、非常に気になるニュース(昨日)。
先週、オーストラリアの連邦環境法が修正された(新しい「環境保全・生物多様性
法」の成立により、国立公園の管理運営に関する従来の規則がこまかい点で変更され
た)のですが、
ニュースによると、カカドゥ国立公園内で「危険物」を運搬する際に、土地の持ち主
(つまりアボリジニー)の許可をえなくてもよくなったらしい。
(すみません、細川は条文の現物を見ていないので、ABCニュースで報道されたま
まの情報です。www.abc.net.au/news/state/nt/metnt-29jun1995-5.htm)
これはどういう意味があるかというと、ジャビルカ鉱山で掘り出したウラン鉱石を
レンジャー鉱山に運搬して製錬する(つまり新しい製錬プラントをつくらず、既存の
施設を利用する)というERA社の希望する選択肢にとって、非常に都合がよいので
す。(ジャビルカ通信第8号と第32号を参照)
ジャビルカとレンジャーの土地権をもつミラル・グンジェイミ氏族は、上記のよう
な計画を一切容認していません。従来は、この道路使用(ジャビルカ→レンジャー)
についてはアボリジニーの拒否権があるとされていました。
実際のところ、グンジェイミ先住民族法人のスタッフによれば、ユネスコの勧告以
上に、この制度的な拒否権が開発を止める決め手になるはずだ、というのです。しか
し、そんな肝腎なことが、チョチョイと規則の変更でひっくり返ってしまう(しかも
、あの激しく厳しい連邦議会でチェックをうけずに!)、なんてことは、にわかには
信じがたいことです。
来週から細川はオーストラリアに行きますので、この点もよく確認してこようと思
います。
【おわび】 あまりに妨害電話が多い(一日中、ひっきりなしに無言電話がかかって
くる)ため、やむをえない対策として、細川の電話(公開番号のほう)は、先週以来
、ほぼ常時ファックスに切り替えています。ファックスはちゃんと受信できています
ので、ご連絡は、電子メールかファックスでお願いします。
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ストップ・ジャビルカ・キャンペーン事務局
<hosokawk@cc.saga-u.ac.jp>
840-8502 佐賀大学 農学部3号館 細川研究室
tel&fax 0952-28-8738
(郵便振替)01700-1-19686「ジャビルカ基金」
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キャンペーン・ホームページ: http://SaveKakadu.org
ミラル氏族のホームページ: http://www.mirrar.net
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