インド先住民族を苦しめるウラン公害

インド先住民族を苦しめるウラン公害

 

 またもや <核と先住民族> に関するニュースですので、
「ジャビルカ通信」と「環境社会学会」と「NoNuke ML」と、
それから「ODA ML」と「高木学校 ML」と「京都精華大学 
環境社会学科 設立準備室 ML」にも同報しています。

      重複してご覧になる方、ごめんなさい。(@_@)☆彡

 

 インド東部、ビハール州ジャルカンド(Jharkhand)地方、東シンブム(East Shig
hbum)地区の先住民族(いわゆる「指定部族」あるいはアディヴァシ Adivasi)であ
るサンタール、ホー、ムンダなど少数部族の人々は、インド唯一のウラン鉱山(ジャ
ドゥゴダ鉱山)のおそるべきズサンな環境管理の結果、ながらく重い健康被害に苦し
められてきました。

 最近になって、ようやく初歩的な医学検診、疫学調査、社会学的調査、そしてマス
コミ報道がなされるようになり、きわめて憂慮すべき状況にあることが広く明らかに
なってきました。

 インド人映像作家(ドキュメンタリー作家)であるシュリ・プラカーシュ(Shri P
rakash)氏は、ジャルカンド地方の住民、とりわけ先住民族の視点にたち、ジャドゥ
ゴダ鉱害の実態を『ブッダの嘆き』(Buddha Weeps in Jadugoda;原題 Ragi Kana:
Ko Bonga Buru)という80分ほどのビデオ・ドキュメンタリーにまとめました(1997
年完成)。

 この衝撃的な作品は、98年、カトマンズでひらかれた南アジア映画祭において金賞
を獲得、インド国内でも注目を浴びました。
 このほど、この作品が第8回「地球環境映像祭」で入賞し、3月に東京で上映され
ることになりました。
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 上映日時: 3月1日(水)15時40分~
 
 場所: 新宿パークタワー3階ホール

      (一般公開、入場無料)
 ■■—————————■■
この上映は、地球環境映像祭の一環としておこなわれるもので、制作者であるプラカ
ーシュさんも来日します。(期間中は、環境問題や環境教育を題材とした優れた映像
作品が、あわせて多く上映されます。)

 また、これは実現するかどうか、現時点で細川としては確認できないのですが、現
地でウラン公害に反対しつづけている先住民族同盟の中心人物であるホー民族のガナ
シャーム・ビルリ(Ghanashyam Birulee)さんの来日をはたらきかける動きもあります。
★といあわせは、調布原水禁の藤川さん <misatoya@pep.ne.jp> にお願いします。

藤川さんの制作したホームページで、映画『ブッダの嘆き』のおおまかな内容を見る
ことができます。

 → http://www.jca.apc.org/gensuikin/jadugoda/jadugoda-j.html

 (英語は、http://www.jca.apc.org/gensuikin/jadugoda/jadugoda.html
また、日本消費者連盟の『消費者リポート』最新号(2月17日号)には、映画のス
チール写真が3点紹介されています。

 鉱山周辺にすむアディヴァシ(先住民族)の村々では、白血病、流産・死産、悪性
貧血、さまざまな癌、成長障害、脳障害など、多くの場合とりかえしのつかない健康
被害が異常な頻度で発生しています。影響をうけている範囲は、まだ十分には把握で
きていませんが、およそ5万人にさまざまな影響が及んでいると思われます。植物に
も多くの形態異常が記録されています。

 セミパラチンスク(旧ソ連の核実験場)周辺の村々(カイナル村など)に匹敵する
ほどの、とんでもない状態になっている可能性が高いです。

 細川は、昨年、インドを訪問した際、プラカーシュ、ガナシャーム両氏に会って、
詳しく現地の事情を聴くことができました。また、現地で予備的な医学調査をおこな
ったサンガミトラ・ガデカール博士からも詳しく説明をうけました。
 細川自身は現地をまだ見ていませんが、被害が相当深刻なレベルに達してしまって
いることは間違いありません。
(健康被害のすべてが放射能のせいとは断言できませんが、ウラン鉱山の操業に起因
する直接間接の作用であることに、まず議論の余地はないでしょう。)

 

■ジャドゥゴダ公害問題の英文資料をご希望の方は、ジャビルカ基金の事務所 <itac
himaru@nifty.ne.jp> にファイルしてありますので、ご連絡ください。
 実費にてコピーをお送りします。
★ ガナシャーム・ビルリさんの来日を実現する活動に協力していただける方は、細
川あるいは藤川にご連絡ください。

 

(「ジャビルカ通信」、「環境社会学会」、「NoNuke ML」、「ODA ML」、「高木学
校 ML」の方々には、ふだんは「先住民族ニュース」は配信しておりません。もし、
登録を御希望の方は、ご一報ください。)
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先住民族ニュース

 ひさびさの「先住民族ニュース」です。
(核問題に関連するので、「ジャビルカ通信」と「環境社会学会」と「NoNuke ML」
にも同報しています。重複おゆるし下さい。)
 日本ではほとんど報道されていませんが、米国の連邦議会(上院)で、高レベル放
射性廃棄物の国内輸送を容易にするための法案の採決がおこなわれました(ワシント
ン時間2月10日)。

 ★★★結論からいうと、現在のところ唯一のアメリカ先住民族出身議員であるナイ
トホース・キャンベル上院議員の一票によって、この法案は葬り去られました。
 共和党のマコウスキー議員の提出による法案(S.1287法案、反核団体からは「動く
チェルノブイリ法案」として批判をあびていたもの)は、民間原発の使用済み燃料の
州境をこえた移動(おもに鉄道輸送)の安全性条件について、連邦環境庁(EPA)
による放射線の規制値をゆるめるものでした。

 上院では共和党が多数を占めるため、この法案が通過するものと予測されていまし
たが、クリントン政権は、「環境における放射線と健康に関する規制におけるEPA
の中心的な役割を損なうような法案は受け入れられない」として、拒否権を発動する
意向を表明していました。そこで、この法案が成立するためには、上院で3分の2以
上の賛成票をえて、大統領拒否権を無効にする必要がありました。

 したがって、反対票が34票あれば、法案は可決されても大統領拒否権によって、
成立しません。この法案がもし成立すれば、アメリカ先住民の聖地であるヤッカ・マ
ウンテン(ネバダ州)への核廃棄物搬入への道が開かれてしまうため、反核団体・環
境団体のみならず、先住民族のさまざまなグループが、この「動くチェルノブイリ」
法案に反対してきました。

 キャンベル議員は共和党所属ですが、アメリカ先住民族の声を議会に反映させると
いう使命にしたがい、民主党の議員とともに法案に反対票を投じました。
 その結果、賛成64、反対34、欠席2により、法案は可決されたものの、大統領
拒否権により葬り去られることになります。マコウスキー議員は、採決後、法案を断
念する旨、記者会見で表明しました。

 キャンベル議員は、来日してアイヌ民族と交流されたこともある方で、ご記憶の方
もいらっしゃると思います。

 
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