2000.4.14 ジャビルカ通信 第119号

2000.4.14 ジャビルカ通信 第119号
 風媒社ブックレット『日本が破壊する世界遺産 — 日本の原発とオーストラリ
ア・ウラン採掘』(文・写真=伊藤孝司、協力=細川弘明、共同企画=日本消費者連
盟)が4月25日、いよいよ発売。 88ページ、800円、写真満載。

 ジャビルカ開発問題の背景、経緯、現状をわかりやすくまとめた手頃な冊子です。

 (予告していたのと、ちょっと題が変わりました。)
  ご注文・問合せは、

     風媒社(052-331-0008)

または、 ジャビルカ基金 <itachimaru@nifty.ne.jp> まで。

     (一般書店でも、お求めになれます。)

公共図書館・学校図書館などへのリクエストを、皆さんおねがいします。
★★★★★★★★★
 これまで「ストップ・ジャビルカ・キャンペーン」、「ジャビルカ葉書キャンペー
ン」、「ジャビルカ基金」にカンパをお寄せいただいた方には、定価の2割引き(80
0円→640円)にておわけいたします。 ”(^o^)”

 → <itachimaru@nifty.ne.jp> まで、お申し越しください。
 ジャビルカ現地では、工事は止まっているものの、坑道からの排水(汚染水)をた
めるダム(風媒社ブックレットの表紙にうつっているダムです!)が雨季の降水量に
たえきれなく恐れが出てきて、ERA社は汚染水の放流(またもや「管理放流」だよ
!)を検討している模様。
 この件については、現地情報をいま整理中です。坑道がウラン鉱床に到達してしま
っている以上、排水にはウラン、ラジウム、ポロニウムなどの放射能が(うすい濃度
ではありますが)含まれています。

 また、レンジャーの南のクンガラ鉱山を開発する動きが出ています。この件もいま
急いで調査中です。

 メールマガジン『環境雑学』(ジャビルカ通信118号参照)では、明日、ジャビル
カの連載の第3回が発行されます。お申し込みは、
  http://www.kyoto-seika.ac.jp/newdi/kankyo/news.htm
にてどうぞ。
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ストップ・ジャビルカ・キャンペーン事務局
   <itachimaru@nifty.ne.jp>
  840-8502 佐賀大学 農学部3号館 細川研究室
  FAX  0952-28-8738 

(郵便振替)01700-1-19686「ジャビルカ基金」
   ↑・カンパはこちらへ・
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キャンペーン・ホームページ: http://SaveKakadu.org

ミラル氏族のホームページ: http://www.mirrar.net

ジャビルカ行動連絡会のホームページ: http://www.jag.org.au

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 ┃ ミラル氏族のホームページに ┃
 ┃ ジャビルカ開発問題の年表が ┃
 ┃ のってます。        ┃
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2000.4.10 ジャビルカ通信 第117号

2000.4.10 ジャビルカ通信 第117号

ジャビルカ開発計画は、経営判断によって断念される可能性が濃厚になってきた。

ジャビルカ鉱山は、すぐ南で操業中のレンジャー鉱山ですでにウラン採掘をおこなっ
ているERA社(エナジー・リソーシズ・オブ・オーストラリア社)が新規採掘を計
画している。埋蔵量・品位とも世界有数のウラン鉱脈であるが、世界遺産カカドゥ国
立公園のなかに位置していることから、環境破壊をまねくとの厳しい批判にさらされ
、計画はおおはばに遅れ、採掘開始に至っていない。

ERA社は、ジャビルカで採掘する鉱石を、既存のレンジャー鉱山の製錬施設で処理
したいと考えているが、地元の土地権をもつ先住民族(アボリジニー)のミラル・グ
ンジェイッミ氏族は、ジャビルカ鉱区からレンジャー鉱区への鉱石の運搬計画に対し
て拒否権を発動した(99年10月)。

この拒否権は、レンジャーの開山にあたって取り交わされた協定にもとづいている。
ERA社は、再度の交渉を申し入れたが、アボリジニー側は交渉そのものの5年間凍
結を宣言した。

このため、ジャビルカでの採掘をおこなうためには、ジャビルカ鉱区に新しい製錬施
設および製錬廃棄物の貯蔵ダムを建設する必要がある。これは、ジャビルカ鉱区に隣
接するマジェラ湿原(ラムサール条約登録湿地)の自然環境に対する著しい脅威であ
ると同時に、ERA社にとって1億5500万豪ドル(約110億円)もの余分な出費とな
る。ノース社の内部資料 (1998) が採用した厳しい試算によれば、関連コストもふく
めると2億ドルの追加出費にもなると予想されている。(ジャビルカ通信116号参照)

国際市場におけるウラン価格の長期低迷を考えると、新しい鉱山にそこまで投資する
ことに経営上の合理性があるかどうかは、はなはだ疑わしい。現に、ジャビルカ計画
がこのような状況になるにともない、ERA社の株価は、1996年10月の6.5豪ドル以
降、ずっと低下しつづけ、今年4月6日にはなんと2.01豪ドルにまで落ちた。

ERA社の親会社であるノース社(本社メルボルン)は、鉱山開発・森林伐採・ウッ
ドチップ生産など、多角経営の資源会社であるが、2000年3月の経営戦略会議におい
て、金・銀・森林・ウッドチップ部門から撤退し、鉄・銅・亜鉛を主力部門として強
化する方針が採択された。これにともない、同社広報部は、西オーストラリア州のふ
たつの支社(おもに金鉱開発をあうかってきた)を閉鎖すると発表した。

ウランに関して、先月の会議では明確な方針が示されなかったが、オーストラリア経
済紙の報道によれば、ノース社はERA社の売却(すなわちウラン開発からの撤退)
を真剣に検討しはじめているという。仮に撤退しない場合でも、ジャビルカ計画に関
しては、レンジャーの既存施設を利用する(つまり安上がりな)方法を前提とし、新
製錬施設の建設には同意しないものと見られる。

昨年10月のノース社の臨時株主総会において、ジャビルカ計画からの撤退が反核株主
の会から提案された際も、この提案に反対票を投じた(つまりジャビルカ計画を積極
的に進める考えを示した)のは株主の2割強にすぎず、機関投資家をふくめた7割は
棄権した。提案そのものは賛成票が4%で否決されたが、これほど多くの株主が「棄
権」を選択したことは、ERA社にとって大きなショックであった。

ノース社は、来月(2000年5月)にカナダで開かれる取締役会で、ジャビルカ計画の
扱いを審議する。

ちなみに、ノース社の森林・ウッドチップ部門は、オーストラリアのタスマニア島で
破壊的な原生林伐採をおこない、その資源のほとんどを日本に輸出してきた。これも
また、環境保護団体やタスマニア・アボリジニー組織からの厳しい批判がかねてより
繰り返されてきたところである。
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ストップ・ジャビルカ・キャンペーン事務局
   <itachimaru@nifty.ne.jp>
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(郵便振替)01700-1-19686「ジャビルカ基金」
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 ┃ 1999年の部がアップされました。 ┃
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2000.4.10 ジャビルカ通信 第118号

2000.4.10 ジャビルカ通信 第118号
 京都精華大の環境社会学科発行のメールマガジン『環境雑学』で、ジャビルカ問題
についての連載が始まりました。5回連載で、すでに第1回と第2回が発行されてい
ます。毎週土曜日発行で、今週末には第3回が出る予定です。
第1回と第2回は、それぞれ次のアドレスで見ることができます。

http://www.kyoto-seika.ac.jp/newdi/kankyo/maga/magazin40.htm

http://www.kyoto-seika.ac.jp/newdi/kankyo/maga/magazin41.htm

第3回以降の受信をご希望のかたは、下記サイトにてお申し込みください。

http://www.kyoto-seika.ac.jp/newdi/kankyo/news.htm
なお、この連載は、昨年秋からこの3月にかけて、日本環境法律家連盟の機関紙『環
境と正義』に連載された「豪州ウラン開発問題と日本の関わり」(細川執筆)に加筆
・修正したものです。内容はほとんど同じですが、メルマガのほうが少し詳しくなっ
てます。
『環境と正義』の掲載号をご覧になりたい方は郵送しますので、細川までお申し込み
ください。『環境と正義』の定期購読(★おすすめします!)の申し込み(あるいは
見本紙の請求)は、日本環境法律家連盟の事務局 <jelf-nagoya@mta.biglobe.ne.jp>
まで。
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★ ジャビルカ絵葉書セット、ひきつづき好評発売中(ジャビルカ通信111号参照)。

    お申し込みは、→ itachimaru@nifty.ne.jp まで
★★ 伊藤孝司さんのブックレット『世界遺産を破壊する日本の原発』がまもなく風
媒社から刊行されます。ジャビルカの現地取材写真をたくさん盛り込んだ便利な冊子。
是非、おひきたてのほどを! (値段はたぶん1000円前後)

 → 問合せ: 風媒社 052-331-0008
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