2000.5.30 先住民族ニュース(49)

2000.5.30 先住民族ニュース(49)

 アメリカ先住民族、ウェスタン・ショショーニの聖地ヤッカ・マウンテン(=ユッ
カ山、Yucca Mountain)を高レベル放射性廃棄物の処分場にする計画がすすんでいる
件は、マスコミ報道なども多いので御承知のことと思います。

 原子力資料情報室がこの問題について、講演会をひらきますので、お知らせします。
(重複してご覧になる方、ごめんなさい。)
—–転載はじめ—–

原子力資料情報室・第40回公開研究会
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高レベル放射性廃棄物 地層処分は可能か?
-アメリカ・ヤッカマウンテンの真実-
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http://www.jca.apc.org/cnic/action/events/

日時:6月22日(木)午後6時30分~
場所:中野勤労福祉会館大会議室
資料代:800円

講 師:ケビン・カンプス
(NIRS=原子力情報資料サービス・放射性廃棄物担当)

 原発によって生み出される高レベル放射性廃棄物は、
何万年も放射能毒性が残る最悪の廃棄物です。この「核
のゴミ」を、日本政府は地下数百~千メートルの超深地
層に埋め捨ててしまおうとしています。しかしこのよう
な地層処分が変動帯に位置する日本で本当に可能なのか、
安全性は確保されるのか、多くの問題があります。
 原子力発電を利用した多くの国でも、この放射性廃棄
物問題は行き詰まっています。アメリカではネバダ州の
ヤッカマウンテンを唯一の候補地として、処分計画が進
められています。しかし州政府や土地の所有者であるウ
エスタン・ショショーニ族は計画に反対しており、この
問題に詳しいNIRSのカンプスさんから「ヤッカマウンテ
ン計画の実態」を伺います。そして「人類の負の遺産」
そのものである放射性廃棄物に対して、私たちに何がで
きるのか考えます。

※事前の参加申込・予約は必要ありません。
原子力資料情報室 藤野 聡
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原子力資料情報室 (CNIC)
Citizens’ Nuclear Information Center
〒164-0003東京都中野区東中野1-58-15寿ビル3F
TEL.03-5330-9520 FAX.03-5330-9530
http://www.jca.apc.org/cnic/
cnic-jp@po.iijnet.or.jp
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—–転載おわり—–
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2000.5.28 ジャビルカ通信 第121号

2000.5.28 ジャビルカ通信 第121号

  ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
  ┃ 南オーストラリア州のオリンピック・ ┃
  ┃ ダム鉱山で重ウラン酸アンモニアの  ┃
  ┃ 漏洩が発覚。  続報次号。     ┃
  ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
 116号と117号で紹介したように、ジャビルカ開発をすすめるERA社の親会社であ
るノース社は、同社の経常収入の約1割を占めるウラン権益からの撤退を検討してき
ましたが、このほど撤退の方針がほぼ固まり、あとはERA社を誰がいくらで買い取
ってくれるか、という問題にほぼ絞られてきたようです。ノース社はERA社の株の
67%を所有しており、これを譲渡する相手がERA社の経営権を握ることになります
。譲渡価格は3億豪ドル(約190億円)前後と言われていますが、これにジャビルカ
製錬施設の建設費負担を加えると、ゆうに300億円を上回る買い物となるでしょう。

 あまり考えたくない最悪のシナリオは、関西電力の子会社である「日豪ウラン資源
開発」(JAURD、圧力水型炉むけの燃料を買い付けて関電・四電・九電に供給している
) が買い取って開発計画を強行する、というもの。ノース側としては想定するシナリ
オのひとつでしょうが、関電筋の内部情報では、まずそれはないだろう、とのこと。
JAURDは、現在、ERA社の株の10%を所有し、レンジャー鉱山で採掘・製錬される
酸化ウランの4割前後を購入しています。

 より可能性の高いのが、オーストラリアのもうひとつのウラン鉱山である南オース
トラリア州のオリンピック・ダム鉱山(=ロクスビー・ダウンズ)の所有者、ウェス
タン・マイニング社(WMC) が買い取る、というもの。ノース社はすでにWMCと実質的
な交渉に入っているとの情報もあります。

 WMCは、日本へのウラン輸出(おもに沸騰水型炉むけ)を通じて日本の商社・電力
会社と密接な関係にあり、ウルトラCとしてWMCとJAURDが共同でERA社をひきとる
、というシナリオもあり得なくはありません。具体的にはJAURDがERA社への出資
比率を高めるということになります。これも今のところ、関電の側から望んでそうす
る、という事態は考えにくいのですが、望ましからぬ可能性として、一応、念頭にお
いておくべきでしょう。

 さて、ここへきて急浮上してきたのが、ジャビルカ鉱山・レンジャー鉱山のすぐ南
に位置するカカドゥ第3のウラン開発区、クンガラ鉱床群の採掘権をもつフランス核
燃料公社(COGEMA、以下「コジェマ」と表記) です。コジェマはフランス国営企業で
、商業用および軍事用の核分裂物質の生産・輸送・加工・使用・再処理・廃棄物処分
を一手にうけおう核燃エージェントです。コジェマがジャビルカの権益に並々ならぬ
関心を示し、一部報道によれば、すでにノース社とERA社の譲渡交渉にはいってい
る、とのことです。
http://www.smh.com.au/news/0005/19/text/business09.html —『シドニー・モ
ーニング・ヘラルド』紙の経済面)

 コジェマは、すでにERA社の株を6~10%所有し、レンジャー鉱山から年間300
トン前後の酸化ウランを購入しています。(日本はこの約3倍を購入しています。)
(コジェマの株式占有率がはっきりしないのは、コジェマ自身が持つ株に加えて、コ
ジェマに経営権をにぎられている欧州の多国籍企業(複数)がERA社の株をもって
いるが、その比率が確認できないため。)

 コジェマと日本がERA社の株を分け合うという、おぞましい近未来のシナリオが
見えてきます。 コジェマは、ながらく凍結していたクンガラ鉱山の開発計画も「解
凍」する動きをみせており、油断なりません。

 クンガラ鉱区の地元アボリジニー(ジョック・グンジェイッミ氏族)は、開発反対
の立場をはっきりと表明し、これを受けて北部土地評議会(NLC)も当面は開発交
渉を仲介しない、との方針を4月に決定しています。開発推進側は、ジョック以外に
もクンガラの土地に権利をもつアボリジニー集団がいると主張し、それらのグループ
(ワラマル氏族、ミラル・ウネンガンク氏族など)に様々な「支援」をもちかけて、
事態を打開しようとしているようです。鉱山業界おきまり(おとくい)の分断策—
先住民族に仲間割れをおこして、その混乱を利用して開発をすすめようとする戦術–
-です。

 株式市場では、「ノース社、ウラン事業から撤退」の情報が流れるや、同社の株は
値上がりを始めたそうです。ウラン開発はペイしない、というのが市場の健全な判断
です。開発側はややあせっているようで、核燃産業界のシンクタンクであるのウラン
情報センター(メルボルン)は最近、「オーストラリア・ウラン鉱業の経済性」(Min
es Paper No.4 “The Economics of Australian Uranium Mining”) というレポートを
出しましたが、いささか我田引水の内容です(http://www.uic.com.au/econ.htmで読
めます)。

 
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 通信118号で御案内したメールマガジン『環境雑学マガジン』に連載の「豪州ウラ
ン開発問題と日本の関わり」第3回~第5回は、それぞれ次のアドレスで見ることが
できます。

http://www.kyoto-seika.ac.jp/newdi/kankyo/maga/magazin42.htm

http://www.kyoto-seika.ac.jp/newdi/kankyo/maga/magazin43.htm

http://www.kyoto-seika.ac.jp/newdi/kankyo/maga/magazin44.htm

いずれも、『環境と正義』(日本環境法律家連盟の月刊機関紙)に掲載したものへの
加筆版です。最新の状況を反映して書き直しましたので、ご覧ください。

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★ ジャビルカ絵葉書セット、ひきつづき好評発売中(ジャビルカ通信111号参照)。

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ストップ・ジャビルカ・キャンペーン事務局
   <itachimaru@nifty.ne.jp>
  840-8502 佐賀大学 農学部3号館 細川研究室
  FAX  0952-28-8738 

(郵便振替)01700-1-19686「ジャビルカ基金」
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キャンペーン・ホームページ: http://SaveKakadu.org

ミラル氏族のホームページ: http://www.mirrar.net

  ┏━━━━━━━━━━━━━━━┓
  ┃ ミラル氏族のホームページに ┃
  ┃ ジャビルカ開発問題の年表が ┃
  ┃ のってます。        ┃
  ┗━━━━━━━━━━━━━━━┛

ジャビルカ行動連絡会のホームページ: http://www.jag.org.au

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2000.5.28 ジャビルカ通信 第122号

2000.5.28 ジャビルカ通信 第122号

 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
 ┃ 120号でお知らせしたレンジャー鉱山の ┃
 ┃ 汚染事故についての続報は、次号。   ┃
 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
 南オーストラリア州の内陸部にあるオリンピック・ダム鉱山(銅・ウラン・金・銀
の複合鉱山、別名「ロクスビーダウンズ」)のウラン製錬施設において、基準をこえ
る濃度のウラン化合物が施設内空気中から検出された。

同鉱山を操業するWMC銅ウラン社(WMC Copper Uranium) の親会社であるWMC資源
(WMC Resources) 社が州政府に通報(5月22日)したもの。異常が発見されたの
は、5月18日とされる。

5月27日付の『アドバタイザー』紙(南オーストラリア州の主要紙)によれば、州
政府労働省(Human Services Dept) の放射線防護担当部署のチームが鉱山入りし、
調査をおこなっている。

会社側の説明によれば、酸化ウランの精製工程で中間原料として生成される重ウラン
酸アンモニウム( (NH4)2U2O7 ←数字はみな下付き)が基準以上に漏洩し、施設内
の壁などに付着し、そこからウラン粒子(particle)が施設内に浮遊する事態にいた
ったもの。

【註1】ウランの前処理(processing)においては、milling、leaching、refining
を総合して「製錬」というが、このうち最後の refining の部分(アンモニアなどと
反応させてイエローケーキにする工程)を「精練」(「糸」偏)あるいは「精製」と
いう。

【註2】重ウラン酸アンモニウムは、昨年の東海村臨界事故の直接の原因となった「
バケツによる撹拌」の直前の段階(仮焼却)で投入された物質。

「基準以上に」という表現から分かるように、この製錬施設では、電気炉で重ウラン
酸アンモニウムを焼いて酸化ウランを生成させる工程で、1日あたり0.02kgまでの重
ウラン酸アンモニウムの放出(大気中への排出)を許容する設計になっている。

(★これが、ウラン精製施設における通常のやり方なのかどうか、細川は知りません
。どなたかご存知の方、ご教示ください。)

ところが、バルブの故障により基準以上の放出がおこり、電気炉周辺で異常な量のウ
ラン粒子が検出される事態となったものらしい。詳細は、調査チームの州議会への報
告をまたないと、よく分からない。

同社は、「労働者の被曝の心配はない」としているが、その根拠は示されていない。
WMC社は、オーストラリア有数の鉱山会社であるウェスタン・マイニング・コーポレ
ーションが改名して、略号だった「WMC」を正式社号としたもの。

オリンピック・ダム鉱山は、主産物は銅だが、世界有数のウラン資源量をほこり、精
製された酸化ウラン(年産8,500トン)は、日本(東京電力、関西電力など)、米国
、ドイツなどに輸出されている。

WMC社は、オリンピック・ダム鉱山の生産量を拡大させるとともに、カカドゥ国立公
園地区で操業中のERA社の買収にも意欲をみせている(前号参照)。
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2000.5.3 ジャビルカ通信 第120号

2000.5.3 ジャビルカ通信 第120号

 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
 ┃ レンジャー鉱山でパイプ破損、  ┃
 ┃ 重金属汚染水が施設外に漏洩   ┃
 ┃ ERA社はこの件を3週間も隠匿 ┃
 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

 昨日(5月2日)からのオーストラリア放送協会(ABC)の一連の報道によると
、ジャビルカ鉱山予定地のすぐ南で操業中のレンジャー鉱山(ERA社が経営するウ
ラン鉱山)で製錬廃水の漏洩が発生している。

漏れたのは重金属(おもにマンガン)で汚染された水で、ウラン製錬施設内の用水リ
サイクル系の配管から漏洩し、鉱山に隣接する湿原に流れ込んだものとみられる。放
射能の漏洩は報告されていない。

レンジャー鉱山は、ふだんは廃水を直接は川に放流せず、廃水貯水池から「天然の湿
地フィルター」(wetlands filter area) を通してマジェラ川に排出しているが、今
回は貯水池の外の湿地(現在は雨季のため水没中)で基準をこえるマンガン濃度が測
定されたことから、漏洩が判明した。

ERA社がこの件を公表したのは昨日であり、またアボリジニーの土地権を管轄する
北部土地評議会(NLC)に通報したのは4月28日である。しかし、濃度異常は実
は4月5日には検知されていたことが、その後の調べで判明した。会社側もそのこと
を本日になって認めた。ERA社によれば、汚染水の漏洩がいつから始まったかは分
からない、という。配管の修理はすでに完了して、漏洩は止まっているとのことである。

NLCは、この通報の遅れは明らかに協定違反である、として不快感を表明。ウラン
鉱山の操業にさいしてERA社とNLCがむすんだ協定(protocol)では、会社側は
鉱山におけるいかなる異常についてもただちにNLCに通報することになっている。

オーストラリア連邦政府環境省も、3週間以上の通報の遅れについて「憂慮している
」と述べた。ロバート・ヒル環境大臣およびニック・ミンチン資源大臣は、通報の遅
れについて「ERA社に説明を求める」としている。

レンジャーおよびジャビルカの土地権をもつミラル・グンジェイッミ氏族の代表組織
「グンジェイッミ先住民族法人」の事務局長ジャッキー・カトナは次のような声明を
発表:

「この会社は現在操業している鉱山において(環境保全のための)責務を果たすこと
ができないでいる。計画されているジャビルカ鉱山でこの会社がまともに責務を果た
すこと期待することは全くできない。」

「(問題の湿地区域は)雨季のあいだアボリジニーが魚をたくさんとる地域である。
鉱山の外の環境を損なっていないという会社の言い分を信用することはできない。」

ERA社は、今回の漏洩によって周辺環境はなんら損なわれていない、湿地フィルタ
ーは排水中の重金属を吸着する設計通りの機能をはたすことが証明された、と主張し
ている。おいおい (☆_☆;;)

この件について、目下のところ最新の報道は次のサイトで読めます:

http://www.abc.net.au/news/state/nt/metnt-3may2000-7.htm
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