2000.6.28 ジャビルカ通信 第125号
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┃ レンジャー鉱山からの汚染水漏洩事件について ┃
┃ OSSは「環境保全の規則を逸脱したもの」と ┃
┃ 批判する報告書を発表。だが資源相は「実害は ┃
┃ なかった」として、同社を処分せず! ┃
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パリでユネスコ世界遺産委員会の幹事国(ビューロー)会議が始まりました(6/26
~7/1)。ジャビルカ開発問題をめぐって紛糾が予想されます。
オーストラリア自然保護基金(ACF)、地球の友オーストラリア、北部準州環境セ
ンター(ECNT)は、ジャビルカ問題についての共同報告書をまとめ、世界遺産委
員会に提出しました。報告書はインターネットで公開されています。
http://www.acfonline.org.au/campaigns/antinuc/jabiluka/Kakadu_under_threat.htm
パリでは、上記3団体のスタッフが、精力的にロビー活動を展開しています。
ジャビルカの先住民族を代表するグンジェイッミ先住民族法人(GAC)も今回の会
議にオブザーバーを送りこんでいます。パリ滞在中のGACの事務局長、ジャッキー
・カトナは、26日、オーストラリア放送協会のインタビューに応えて次のように述べ
ました。
「オーストラリア政府は、世界遺産条約を履行する義務がある。
条約を守るための具体的な義務があたかも存在しないかのよ
うな詭弁はもはや通用しない。」
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レンジャー鉱山の自然環境への影響をモニターする政府機関であるOSS(監督科
学局)は、レンジャー鉱山での鉱滓廃水の漏洩事故(通信120号、123号参照)につい
て、報告がおくれたのは、環境保全の指針を逸脱した行為だとする報告書をこのほど
まとめ、連邦環境大臣に提出しました(6月27日公表)。報告書はまた、漏洩汚染
水が鉱区にとどまらずカカドゥ国立公園にまで達したと認定し、地元アボリジニーお
よび一般社会に不安を与えたと指摘しています。
同報告書は、連邦政府がERA社に対して何らかの措置(行政処分)をとることを検
討すべきであるとしましたが、資源エネルギー担当のミンチン大臣は、「環境に実害
はなかった」として、なんの処分もおこなわない意向を表明しました。
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ERA社の売却をめぐる動きについて、通信121号でお知らせしましたが、その後
、リオ・ティント社(多国籍鉱山会社、旧名RTZ社;東京電力へのナミビア・ウラ
ン密売で悪名をはせた)がノース社に対して、株式の公開買い付けをもちかけるとい
う新しい動きがでています。(ERA社の買収ではなく、親会社であるノース社その
ものの買収です。こりゃまた、激しいビジネスになってきました。)
リオ・ティントは1株3.8ドルを提示しましたが、ノース社はこれを拒絶しています
。仮にリオ・ティントがノース社ごとERA社を傘下におさめるとなると、西オース
トラリア州のキンタイア鉱床とジャビルカ鉱床という、世界最大級のウラン鉱床ふた
つの開発権を手にいれることになります。
ノース社の鉄鉱部門には、NKKなど日本の製鉄業界の利害もからんできますので、
公開買い付けがすんなり進むとは思われませんが、かなり大規模な吸収合併劇が展開
しそうな様相です。いずれにせよ、ウラン権益は「不採算部門」として整理の対象に
なる可能性が高いことに変わりありませんが。
関連する経済記事は:
http://www.theage.com.au:80/bus/20000628/A38617-2000Jun27.html
http://finance.news.com.au/common/story_page/0,4057,865503%255E462,00.html
http://finance.news.com.au/common/story_page/0,4057,865235%255E462,00.html
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前号で『日本が破壊する世界遺産』の正誤表をお送りしましたが、その後、またま
た間違いが判明しました。恥ずかしながら、正誤表の追加です。
p.34(右から8行め) 『被爆国アメリカ』→『被曝国アメリカ』
p.84(注1) ウランはのほとんど → ウランのほとんど
長崎の戸田清さん、ご指摘、どうも有難うございました。
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ホームページ: http://SaveKakadu.org
「ジャビルカ通信」バックナンバー閲覧: http://nnafj.kmis.co.jp/japanese/ind
ex.shtm#BULL(→「国外情報」をクリック)
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ミラル氏族のホームページ: http://www.mirrar.net
オーストラリア自然保護基金: http://www.acfonline.org.au
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