2002.2.24 ジャビルカ通信 第143号

2002.2.24 ジャビルカ通信 第143号

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 ┃ 豪州の「砂漠に核のゴミ」構想、断念 ┃
 ┃ パンゲア社、オーストラリアから撤退 ┃
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  高レベル放射性廃棄物の国際集中処分場(つまり多くの国の核廃棄物をまとめて
引き受けるということ)のオーストラリアでの建設を計画してきたパンゲア社(=パ
ンジーア社)は、1月末、メルボルンとパースに置いていた事務所をたたみ、その
後、同社がオーストラリアでの立地計画を断念し、処分場ビジネスから撤退すること
が確認されました。
(パンゲア計画のこれまでの推移については、『ジャビルカ通信』98号を御覧下さ
い。)

パンゲア計画への最大の出資者になると目されていた英国の核燃料公社(BNFL)が、
出資をとりやめる方針を固めたことが、直接のひきがねとなり、パンゲア社
(Pangea International)自体が、高レベル処分場ビジネスから撤退することを決断
したようです。BNFLは関西電力むけMOX製造過程での数々の不祥事が一昨年来、次々
と明らかになり、みずからの経営が傾く事態においこまれています。

パンゲア計画では、南オーストラリア州にビラ・カリーナ地区か、西オーストラリア
州のオフィサー盆地地区が、高レベル廃棄物の地層処分場の候補にあげられていたま
した。ビラ・カリーナでは、土地の本来の所有者であるアボリジニー集団(主にアン
ダカリニャ系の人たち)が明確に反対の意志を表明しています。オフィサー盆地は、
かつて日本の動燃事業団(現在の核燃サイクル機構)がウラン試掘をして汚したま
ま、後始末もせずに放置している地区です。

もし、パンゲア社の当初の皮算用通り、このいずれかの土地に地層処分場ができてい
たら、そこには、アルゼンチン、パキスタン、ブラジル、オランダ、南アフリカ、ド
イツ、スイスなどの国々から使用済み燃料棒や再処理廃液固化体などが集中的に持ち
込まれるところでした。かつては東大の鈴木篤之教授もこの計画の「技術顧問」でし
たので、日本からの持ち込みの可能性も検討されていたふしがあります。

核開発推進派のあいだで「有望視」されていた豪州大陸でのパンゲア計画が頓挫した
として、上記の国々の核廃棄物はどうなるのでしょう?

それぞれ自分の国でなんとかしなさい、というのがひとつのシナリオ。しかし、ロシ
アが引き受けるという話も繰り返し浮上していますし、チベット、ナミビア、ニジェ
ールなどのウラン採掘で汚染された土地はつねに「検討対象」にされてきました。核
実験場として汚染されたマーシャル諸島が狙われているという噂もあります。パンゲ
ア社が退場したとしても、「核のゴミ・ビジネス」の駆け引きは、当分やまないでし
ょう。

世界のどこにも捨て場はないのだ、ということを分からせなければなりません。
(パンゲア社の撤退については、NIRS/WISE Nuclear Monitorの最新号=2月15日付
563号でも詳報されています。)

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