ひさしぶりのジャビルカ通信です。
こんにちは、京都:細川弘明です。Bccで失礼します。
(MLで重複してご覧になる方、ごめんなさい。)
(今回はじめてこの通信をお送りさしあげる方もいます。突然でごめんなさい。)
すでにツイッターで速報しましたが、オーストラリアから良いニュースが届きました。
https://twitter.com/ngalyak/status/238520395945357312
https://twitter.com/ngalyak/status/238521870658465792
南オーストラリア州のオリンピックダム鉱山で進んでいた(鉱山)の大規模なウラン増産(採掘拡張)計画について、鉱山を経営するBHPビリトン社は、計画を凍結することを決定、同社のマリウス・クロッパーズCEOが8月22日の記者会見で明言しました。昨期の収益悪化にかんがみ、設備投資を大きく縮小するとのことです。
連邦政府が導入した資源税との関連も取り沙汰されていますが、巨額の投資が株主総会で受け入れられない恐れがあるという判断が主な理由だろうと思われます。(野党はいっせいに政府の「失政」だと攻撃していますが。)
市場はすでにこの動きを見越していたようで、BHP Billitonの株価の下げは限定的でした。一方、ウラン増産によって年300億円以上の税収増をあてにしていた南オーストラリア州政府にとって、同社の方針転換は非常に手痛いことでしょう。
細川が見たニュース映像2本と新聞記事1本:
(1)ABC放送の夜のニュース特集 Lateline (22日放送)動画5分
http://www.abc.net.au/lateline/content/2012/s3573862.htm
(この番組のサイトはありがたいことに書き起こしもついてます。)
(2)ABCニュースの経済コーナー(22日放送)動画6分
http://www.abc.net.au/news/2012-08-22/bhp-profits-slump/4216548
(こちらは書き起こしがついてません。)
(3)シドニーモーニングヘラルド紙の解説記事(22日付)
http://www.smh.com.au/business/mining-and-resources/bhp-mothballs-olympic-dam-expansion-20120822-24m4i.html
(見出しに使われている動詞 mothball は「防虫剤とともに仕舞い込む」という意味で、長期間凍結ということです。)
福島原発に装荷された燃料ウランの少なからぬ一部もこの鉱山から供給されていました( http://j.mp/uranium433 )。オリンピックダム鉱山のウラン採掘の歴史、先住民族アボリジニーとの関係、そして大規模拡張計画については、PARCのキャンペーンページ( http://j.mp/roxstopj )をご参照ください。 ── このページはちょっと情報が古いままで申し訳ないのですが、昨年暮れには拡張・増産計画に対して州政府・連邦政府の認可がおりてしまい、2012年12月までに鉱山会社として事業を正式決定することが求められていました。クロッパーズCEOは12月までにそのような決定がなされることはない、とはっきり表明しました。
細川弘明 拝 < http://twilog.org/ngalyak >
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監修:大野和興 構成:小池菜採
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